南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

世界

世界には200ほどの国や地域があるが、そのうち政治的経済的軍事的文化的全ての点で国民が平和と繁栄と自由を享受している国地域はどれだけあるだろう?

先進国といえども様々な問題を抱えている国が少なくない。相対的には安定しているように見える日本もまたそれなりに多くの問題を抱えている。

人類の歴史を振り返ってみるとなぜかくも戦争ばかり続けてきたのかと驚かされる。人間の欲望が争いを生むのか? なぜ悲惨なことばかり延々と繰り返されてきたのか?

科学が発達しても紛争解決の知恵は進歩し得ないのか?

文学は紛争解決にはあまり役立たないかもしれない。だが、シミュレーションを通じて人類の愚かさや残酷さを描き出しなんらかの解決方法を見出すことがいかに望まれているかを訴えることはできると思う。

たとえば、わが小説『カンダハルの星』は、アフガニスタンをとりあげた物語だ。世界各国のうちでも長く悲惨な状況から抜け出せないで苦しんでいる国だと言えるだろう。日本にとってイスラム教やイスラム文化はなじみが薄いが、最近でもペシャワル会の医師で用水路建設の支援を続けてきた中村氏が現地で襲われて命を失った事件が内外で大きな衝撃を与えているように、複雑な国際情勢の中で日本及び日本人が国際社会の一員としていかに生きていくべきかは目を背けることができない問題のひとつである。

外国との関係や外国人との交流を自分の小説のテーマとして書き続けているので、できるだけ多くのひとびとにわが小説を読んでもらいたいと願っている。

 

既刊電子書籍小説。

 

1.BCCKS  『転生』

 

2.Amazon(Kindle版)

『エメラルドの海』『恋は影法師』『メコンの虹』『白い幻想』『血のカルナヴァル』『カンダハルの星』