南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

『達磨』(57577系短詩)

 

        達 磨

 

                   南原充士

 

巣篭りて みんな自分に 向き合えば 告白気味の つぶやき増える

そのへんに 光が射すを 喜びて このへんにいる 日陰のだれか

羨みも 妬みもあれど 吹き払い 達磨となりて 端然と座す

こころには いやしき邪気の 住まいいて うらやみねたみ 嫉妬を煽る

船頭は 長き掉さし 漕ぎ行けり 流れ激しき 難所を越えて

できうれば 笑いを誘う ツイートを 書いて読みたい 巣ごもりのとき

気が付けば ツイートするを クリックす みな慰みの 指のしわざか

生息の 領分せまし 隠れ家に 漏れ来る光 掌に盛る

信じてる 信じていない ゆらめきの 幻影われを 疎んずるとも

当惑の 扉を前に 立ち尽くす 一瞬の後 引き下がる影

そこよりは すべてを捨てて 持たざるの 自分となりて 機嫌よく生く