南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

Kindle版小説『喜望峰』あらためてご紹介

 

新型コロナウイルス禍のもと、小説『喜望峰』を読んで希望を持ちましょう?』

 

                          南原充士

 

1.はじめに

 

昨年8月にKindle版小説『喜望峰』を出版してからまもなく1年が経過します。幸い読者の方からは好評をいただいております。この際あらためてその概要をまとめてみましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

 

2.小説『喜望峰』について

 

⑴あらすじ

 

大手商社に勤務する尾形雅輝は、南アフリカの白金族金属の探査・開発プロジェクトを担当していた。カナダに本社のあるビクトリア・マイニング社との協力のもとにこのプロジェクトを推進するため、出資の実現に向けて社内外への調整に忙しい日々を送っていた。

そんな中で、尾形が付き合っているワイン仲間と会ったときに、このプロジェクトがうまく行ったらみんなで南アフリカに旅行に行こうという話が出てきた。また合唱クラブで一緒の高宮キャロルとも次第に親しくなっていった。

何百億円もの出資を進めるべきかどうかについては社内でも賛否両論が激しく対立し、尾形はなんとか説得力のある理屈付けができないかと頭を悩ますのだった。だが尾形としては、このプロジェクトには海外投資機構も関心を示して一定の金額の出資を検討していたし、この白金族金属プロジェクトは有望だという信頼筋からの報告もあったのでなんとかなるのではないかという見方をしていた。はたして尾形はうまく出資にこぎつけることができるだろうか?

 

⑵読者からの反応

 

 読者から、「企業経済小説と恋愛小説の両面があり、おもしろかった」という感想や「企業内でいろいろ懸案を解決していく企業戦士の頑張りが自分の経験からも共感できる」とか「企業内で問題解決に努めながら恋愛にも情熱を傾ける主人公の姿がよく書けている」とか「物事の決まり方が役所と似ている」とか「ワインを飲む場面が多く出てくるのでワインを飲みたくなった」とか「コロナ禍の中でハーピーエンドのストーリーに救われた」などという感想が寄せられました。

 

⑶『喜望峰』の狙い

 

 日本と南アフリカの関係を考えるとき、資源開発プロジェクトは重要なテーマだと考えて総合商社の白金プロジェクトをめぐるストーリーを作ってみたいと思いました。

 出資についての多くの関係者との折衝のプロセスを詳しく描くことを主な筋書きとしながら、主人公の商社マン尾形の合唱仲間のキャロルとの恋愛、ワインクラブの活動、商社の南アフリカ駐在の白川夫妻のエイズとの闘いなど、いくつかの筋書きを重ねて物語を展開させました。

 紆余曲折の後、物語はケープタウンの南端にある喜望峰でエンディングとなりますが、どのようなかたちで最後の場面を迎えるのか是非ご期待ください。

 

Kindle 本のダウンロードの方法

 

 電子書籍はまだまだなじみのない方も多いかもしれませんので、簡単にダウンロードの仕方をご紹介しますので、よろしくお願いいたします。

 

Amazonのページにアクセスして下さい。

(例えば下記のページは、南原充士(なんばら・じゅうし)の電子書籍小説『喜望峰』のページです。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B08G4PM9W1/ref=dbs_a_def_rwt_bibl_vppi_i1

 

②先ず、上記ページの上方にある「Kindle無料アプリ」をクリックしてダウンロードして下さい。

Kindle本を無料で読むためのアプリは、パソコン、タブレット端末またはスマホ用があるので、いずれかをダウンロードして下さい。

 

➂次に、上記ページに戻って、右方にある「注文を確定する」をクリックしてください。その後、クレジットカードによる決済手続きを済ましてください。

 

➃先にダウンロードをしたKindle無料アプリを開いて『喜望峰』をクリックすると電子書籍の読書が開始します。

 

⑸抜粋(尾形とキャロルのデートの場面)

 

《土曜日、キャロルは出勤日だったので、比較的遅い時間に待ち合わせをしていたが、それでも約束の時間に少し遅れて現れた。

「ごめんなさい。常連のお客さんにいろいろ聞かれちゃってなかなか帰れなくなっちゃったの」

「なんのなんの、仕事だからしょうがないよ」尾形は上機嫌で迎えた。

「プラチナプロジェクトはうまく行ってるの?」キャロルは尾形に対して以前よりずいぶん砕けたようすで接するようになっていた。

「うん、急に話が前に進むような感じになっているよ」

「それはよかった。じゃあ、とりあえず成功を祈って乾杯しましょうか?」

 二人は燃え上がりつつある恋の炎の中に飛び込んだような強烈な喜びを分け合っていた。

 ワインを飲み肉や野菜を食べ、おしゃべりをして、お腹が痛くなるほど笑い合った後は、暗黙の快楽の時間が待っている。お互いの目を見つめ合いながら瞳の奥に潜むめらめらとした炎を確かめ合うのだった。

「実はね、プロジェクトがうまく行ったら、ワインの会の仲間と南アフリカに旅行に行こうという話をしていたんだ。ひょっとすると近いうちに実現するかもしれない」尾形がそう言いながらキャロルの顔を見た。

南アフリカ?いいわね。わたしも行きたいな」

「そうか。じゃあ、キャロルも一緒に行こうよ」

「いつごろ行く予定なの?仕事が休めるかどうかチェックしなくちゃいけないから」

「まだはっきりした日程はきまっていないんだ」

「そう。じゃあ、決まりそうなときに言ってくれる?参加できるかどうか考えてみるから」

「わかった」》

 

⑹プロフィール

 

わたしは南原充士(なんばら・じゅうし)というペンネームで詩や小説を発表していますので、お時間のある時でもご覧いただければ幸いです。

 

日本詩人クラブ会員 既刊詩集13冊 既刊電子書籍小説8冊)