南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

豊原清明詩集『白い夏の死』

豊原清明詩集『白い夏の死』。キリスト教への信仰も生きることのさまざまな試練や虚無や怒りや病や罪の意識を解放することはない。日常の出来事に翻弄される自分自身を持て余しながらも現実を冷徹に観察して見えてきた社会の猥雑さや不可思議さを真率に書きつけた叫びのようなものが突き付けられる。

シェークスピア ソネット 107

 

ソネット 107

 

      W.シェークスピア

 

わたし自身の恐れも 未来を予言する

広い世間の預言者の魂も

わたしの真実の恋の期間を左右することはできず

冷酷な運命によって没収されるということであろう、

滅びる月は欠けることに耐えてきたのだし

占星術師は哀れにも自らの予言を嘲る

不確かさも今や自らを確かなものとし

平和はオリーブの枝に永遠の命を宣言する、

今最もうららかな時のしたたりによって

わたしの恋人は若々しくなり、死はわたしに譲歩する

彼の存在にもかかわらずわたしはこの貧しい詩の中で生き続けるだろうから

そうして彼はと言えば魯鈍で言葉を持たない部族に勝ち誇る、

あなたはこの詩の中にあなたのモニュメントを見出すだろう

独裁者の栄光と真鍮の墓標が朽ち果てる時に。

 

 

Sonnet CVII

 

     W. Shakespeare

 

Not mine own fears, nor the prophetic soul

Of the wide world dreaming on things to come,

Can yet the lease of my true love control,

Supposed as forfeit to a confined doom.

The mortal moon hath her eclipse endured,

And the sad augurs mock their own presage;

Incertainties now crown themselves assured,

And peace proclaims olives of endless age.

Now with the drops of this most balmy time,

My love looks fresh, and Death to me subscribes,

Since, spite of him, I'll live in this poor rhyme,

While he insults o'er dull and speechless tribes:

   And thou in this shalt find thy monument,

   When tyrants' crests and tombs of brass are spent.

『慣習法と制定法』

 

     『慣習法と制定法』

 

1.日本法は大陸法の流れが強く制定法主体であるが、英米法は慣習法主体である。

今でもその流れは残っている。

そこで、日米で契約を締結するときには、注意を要する。

たとえば、日本では片務契約と双務契約があるとされるが、英米法では双務契約が原則である。

あるいは、コモン・ローと衡平法の歴史的意味合い等が挙げられる。

 

2.近年は英米でも制定法が増えてきたとはいえ、今日でもなお慣習法すなわち前例を重視するという考え方は根強く残っているようだ。裁判でも前例つまり判例が重視される。前例がないときには衡平原理が援用される。金銭賠償で足りない場合差し止め処分を命ずるというようなのが典型的である。

 

3.legalとequitableという用語も要注意だ。

legalは一般的に「法的」という意味と、「衡平法(equity)」に対して「コモン・ロー(慣習法)上」のという意味を持つので、いずれの場合かを見定める必要があるからである。

なお、equitableは「衡平法上の」という意味である。

たとえば、equitable relief(衡平法上の救済)には「差止命令」等がある。

 

4.ちなみに、Equityには色々な意味があり訳しにくい単語の一つである。

 

①公平

➁株式

自己資本

➃不動産

⑤衡平法

  等

『新春コロナ雑詠』(短歌系・2021.1)

 

『新春コロナ雑詠』(短歌系・2021.1)

 

 

平凡の ヘブンに近く カナブンの

ブンブンに似て ひとり賑わう

 

おまえさん ここが痛いよ いや違う

壷を押さえて ぐっと揉んでよ

 

わが生が 小説よりも 奇なりとは

思えぬままに コロナ拡大

 

いい人の 振りをするのも ひとならば

許されてある 悪の役柄

 

悪口を 言って心が 晴れるとは

言えぬ思いの 幸先の梅

 

これこそが 探していた カップだと

コーヒーミルを 軽やかにひく

 

そんなもの どこがいいのと つぶやいて

嫌われ顔で 去り行くだれか

 

退屈や 鬱屈あれば ためらわず

韓流に行く 気持ちはわかる

 

見た目より やわな神経 一言の

ダメージずしり ダメダメダメよ

 

被災地に 生まれた歌を 口ずさむ

声こだまする 成人の日に

 

今日もまた 願いは強く 熱ければ

空より来たる 閃光を見る

 

コロナなら こもりて読める キンドル

ページを送る 指先綺麗

春野たんぽぽ詩集『赤い表札』

春野たんぽぽ詩集『赤い表札』。第一部赤い表札では故郷を舞台に少女時代の思い出が正直に語られる。第二部環状線では大阪に出てきてからの経験が故郷との対比の下に描かれる。詩は次第に現実にフィクションが加わり立体性とユーモアが魅力を強める。独自の発想で詩を切り開こうとする今後が楽しみだ。

南原充士のプロフィール(2021年)

 

南原充士(なんばら・じゅうし)のプロフィール

 

                  2021年1月現在

 

1949(昭和24)年2月7日生、茨城県日立市出身

1972(昭和47)年3月 東京大学法学部卒

日本詩人クラブ会員

本名 桑原 薫(くわばら・かおる)

 

詩、小説、575系短詩、57577系短詩、英詩翻訳、評論、エッセイ等幅広く手掛けていますのでどれかひとつでもご覧いただければ幸いです!

◇既刊詩集12冊:

 

『散歩道』『レクイエム』『エスの海』(以上、私家版)

『個体から類へ涙液をにじませるfocusのずらし方・ほか』(近代文芸社

『笑顔の法則』(思潮社) 

『花開くGENE』『タイムマシン幻想』『インサイド・アウト』『ゴシップ・フェンス』『にげかすもきど』『永遠の散歩者 A Permanent Stroller』(以上、洪水企画)

『思い出せない日の翌日』(水仁舎)

◇所属詩誌:『space』『repure』『詩素』『buoy』

◇既刊小説8冊: * Kindle   小説『エメラルドの海』

『恋は影法師』

メコンの虹』

『白い幻想』

『血のカルナヴァル』

カンダハルの星』

喜望峰

* BCCKS    小説『転生』

◇575系短詩(俳句のようなもの)及び57577系短詩(短歌のようなもの)

 適宜、『きままな詩歌と小説の森』及び『続・越落の園』に掲載。

◇評論及び書評

 適宜『きままな詩歌と小説の森』及び『続・越落の園』に掲載。

◇ブログ:*『きままな詩歌と小説の森』 https://nambara14.exblog.jp/

     *『続・越落の園』https://jushi14.hatenablog.com/

                  ―論考『価値観の研究』ほか掲載-

 

◇翻訳詩: * ディラン・トマス小詩集(16篇)  

* シェークスピアソネット(全154篇を少しずつ翻訳中)

以上は、上記『きままな詩歌と小説の森』に掲載中。

Amazon著者ページː https://www.amazon.co.jp/l/B00UBG2BMI

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◇メールアドレス: nambara25@hotmail.com

小説『喜望峰』の感想

 

小説『喜望峰』を読んだ感想を、下記のように寄せてくれた方がいます。
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「小説は楽しく読ませていただきました。白金の採掘という
ロマンあふれるビジネスが興味深かったです。『喜望峰』というタイトル通りの内容で、コロナの疲れを軽くしていただいた気がしました。」...
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喜望峰 南原充士全集