南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

武西良和詩集『メモの重し』

武西良和詩集『メモの重し』。著者が故郷和歌山の高畑で農業を営む四季折々の畑の様子や過疎化している近隣のひとびとの暮らしが生き生きと描かれる。詩を生み出す力量は並のレベルではない。「知り合いが亡くなった知らせを受けて記したメモに昨日抜いた細…

冨上芳秀『スベリヒユの冷たい夏』

冨上芳秀詩集『スベリヒユの冷たい夏』。言葉遊びのかげに人間への深い洞察がある。「死への恐怖を回避するものとして詩があり、透きとおった白い肌を持つ美しい女(死)と夜ごと激しくセックスすることで『詩』を書くことができた」。エロティシズムは悲し…

田中眞由美詩集『コピー用紙がめくれるので』

田中眞由美詩集『コピー用紙がめくれるので』。新型コロナウイルスが多くの命を奪い人の流れを止めた。そんな中で詩人にも非日常を生きる中でたくさんの出会いと別れが訪れた。ともすれば暗いことばかり起きる身の回りだがさらに地球環境の破壊や戦争が輪を…

尾久守侑詩集『Uncovered Therapy』

尾久守侑詩集『Uncovered Therapy』。不条理劇のような情景と登場人物と台詞が斬新な手法で展開される。「いつかいなくなる日のための距離の治療(Uncovered Therapy)」としての詩。精神科医でもある詩人ならではの視点が過去に類例のないポエジーを生み出…

詩「関東大震災」

詩「関東大震災」