南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

シェークスピア ソネット 80

ソネット 80 W.シェークスピア おお、あなたのことを書くときわたしは気を失いそうになるより優れた詩人があなたの名を用いていることそしてあなたを称賛するために全力を注いでいることを知っているのでわたしはあなたの名声に触れようとすると舌がもつれ…

艱難辛苦

容赦なき 切磋琢磨も 打ち寄せる 怒涛の波に 玉の瑕付く

冨上芳秀詩集『芭蕉の猿の面』

冨上芳秀詩集『芭蕉の猿の面』。エロティシズムとロマンティシズムがないまぜになり、現実と幻想が一体化し、様々な経験と知識に基いた、ユーモアとペーソスに富んだ語り口が実に巧みで読者は否応なく引き込まれる。芭蕉への憧れが詩集に深みと厚みを与えて…

弁証法

これほどに PCスマホ 情報化 正反超えて 合と行こうよ 正論も 手続きの瑕疵 致命的 権限ルール 無視すれば邪 反論は 規則に沿えば 討論を 跳躍させる 踏み台の役

春の嵐

風の子の 駆けっこを追う 春一番 木葉舞う いかにも妖気 空模様 乱れるは 人の心か 春の風

認知症

物忘れ 認知症との 一線を 画したつもり ラジオ体操 自分なり 老化の自覚 記憶力 脚力落ちて もがく泥沼 老害の 開き直りの 茣蓙敷いて 花を愛づるか 酒を呷るか

マイペース

いい意味の マイペースで行く 楽観と 自己陶酔と 耽美の極み 偏見を 捨て去る目には あきらかな 真相見えて 筆へと誘う おおよそは 節穴にして 多数派の 管見による 愚昧に組みす

僥倖

数ある小説の中から自分の小説が選ばれる確率は高くはないだろうが、ゼロでもないだろう。これだけ多くの異なる好みを持ったひとがいるのだから、自分の小説に興味を持ってくれるひとがいてもおかしくはないと思う。発表する以上内容には自信を持っているの…

苦笑

ロコモ度の テスト踏み出し 思い切り 筋肉傷め 老化度に泣く

シェークスピア ソネット 79について

シェークスピアのソネット79では、恋人が自分以外の詩人にもちやほやされていることに嫉妬するようなことが書かれている。シェークスピアでさえ、ライヴァル詩人への対抗心が強かったらしいのが面白い。この恋人というのはこの上なく美しい貴公子だったら…

想像力

寒き夜に 忍び寄る影 夢に咲く 花の名を 知らずに愛でて 温さ来る 昨年の 花影に立つ ひとはどこ

理解されないままに

考えてみれば幼いころからだれにも理解されないという思いをもって生きてきた。 成長するに従い多くのひとと接することを通じてある程度は理解し合えるという感触も得られるようになった。それでも心の深いところでは人間は孤独であり理解し合えないというこ…

情けは人の為ならず

「情けは人の為ならず」とはよく言われる通り、情けをかけるのはその人のためにならないから情けをかけないほうがよい、という意味ではなく、他人に情けをかけるといずれ回り回って自分が助けられるから自分の為になるという意味である。 考えてみれば、功利…

ウイルス

陰険で 胡散臭くて 手ごわくて 阿鼻叫喚の 地獄に堕ちて 不確かな 知らせ飛び交い 不信感 罵詈雑言の 修羅場出現 国ごとの 人物金と 法令と 慣習常識 違いを超えて だれもみな 惑乱の淵 溺れるを 逃れんとして 狂人と化す 定まりし 治療法なし 手探りで 奮闘…

中央集権

この国の かたちと言えば 島国の 長所短所を 列挙してみる

悲しみは消えない

時過ぎて コスモス咲いて 年越して 梅咲く今も 瞼に浮かぶ

シェークスピア ソネット 79

ソネット 79 W.シェークスピア わたしだけがあなたの助力を求めていた時はわたしの詩だけがあなたのエレガントな上品さを謳っていただが今やわたしの優美な詩篇も影響力を弱めわたしのインスピレーションもほかの詩人にその座をゆずっている、恋人よ、あ…

深遠

深淵を 覗くがごとき 剣が峰 幾たび越えて 今日の身はある

書く者として

どんな分野にも傑出した人がいるが、一般的には、傑出していない人の方が多い。傑出したいと望んで努力する人もいれば、傑出することまでは望まず、傑出した人に感心したり、学んだりすればいいと思う人もいる。いろいろな人がいて来るのも去るのも自由とい…

総合文学

詩は跳躍。小説はマラソン。短歌は詠嘆。俳句はスケッチ。評論は料理。翻訳はパズル。それぞれに醍醐味がある。文学を総合的な視野でとらえたらどうなるだろう?今まで見たこともないような立体が浮かび上がってくるかもしれない。

咲いて知る

路地裏の 地味な樹木に 花咲けば これはこれはと 改めて見る

次の小説や詩集

そろそろ次の電子書籍小説や詩集を出したいと考えていますが、 とりあえずは現在ある小説や詩集をお読みくだされば幸いです! https://www.amazon.co.jp/-/e/B00UBG2BMI bccks.jp

おおいぬのふぐり

あるひとが幼い子供を連れて植物園に行ったときに撮った写真を何枚かスマホで送ってきた。小さな花の名がわからないと言う。ネットで調べてみたら、どうやら「おおいぬのふぐり」らしい。幼い子供に教えたらどんな反応があるだろう?

人間到る処青山あり

外国に行って住み着く人がいる。華僑などその代表例だ。 故郷を離れて新天地を求める気概はうらやましいし尊敬に値するが、自分がそうするかと聞かれれば否である。日本人は日本で暮らすのが気が楽だ。もっともそれも自分の感覚であってひとによって違うかも…

新型肺炎

罵るは 道を外せる 未知なれば 手探りしつつ 最善を期す

シェークスピア ソネット 78

ソネット 78 W.シェークスピア わたしは詩を書こうとするときしばしばあなたに詩神としての降臨を求めてきたそして自分の詩の中にそんなにも明らかにあなたの助力を見出してきたほかの詩人たちもみなわたしの詩法を用いるようになったそしてかれらの詩篇は…

これまでの 運と不運は 大赤字 これからは 黒字になれと 黙して祈る

変身

昨日は 素のまま生きた 本日は 風船野郎 気ままに飛ぼう

自助

自らを 助ける気概 あらずして なにも進まぬ だれも来たらぬ

二月

地球温暖化と言われるが、たしかに地球全体としては温暖化が進んでいると言えるだろう。だが、個々の地域ごとに見ればあまり実感できないところもあるだろう。暖冬という表現は自分的には嫌いだ。自分は川崎市に住んでいるが、今年の冬も寒くて仕方がない。…