南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

自分の場所

危機にありて 知恵者は語る 愚者もまた わたしも語る 自閉を超えて ここにこそ わたしはいるが 叫ばない 空の彼方へ 愁いを飛ばす あなたとは 違う場所へと 煩いを 隠して今日も メールを送る

シェークスピア ソネット 88

ソネット 88 W.シェークスピア あなたがわたしを軽んじわたしの価値を蔑むようになる時が来てもわたしはあなたの側に立ってわたし自身を責めあなたが裏切ったとしてもあなたが有徳の士であることを証明するだろう、わたしは自分の至らなさをわきまえている…

詩誌「repure30号」

詩誌「repure30号」が水仁舎(北見俊一氏)から刊行されました。 わたしは、詩「空虚」で参加しています。 参加者の詩篇とともに北見氏によるおしゃれな本作りも合わせてお楽しみください。 「repure30号」表紙 「repure30号」目次 詩「空虚」

「space151号」

高知のふたば工房(大家正志氏)から詩誌「space151号」が刊行されました。 わたしは詩「時間論ⅩⅩⅣ」を発表しています。 space151表紙 時間についての詩の連作によって、時間についての根本的な問いかけを続けています。 これが24作目です。物理学的考察も…

「詩素8号」

「詩素8号」が洪水企画(池田康氏)より出ました。 わたしは、詩「手をつなぐ」、エッセイ「ベートーヴェンのピアノソナタ」、谷川俊太郎詩集『普通の人々』評を発表しています。 よろしくお願いいたします。 「詩素8号」表紙 「詩素8号」目次

不確かなこと

これからコロナがどうなっていくのか不明確なのが最も大きな問題だ。 だれでも感染し最悪の時は死に至るおそれがあるという恐怖が人の心を どうしようもなく圧迫する。 ワクチンが開発されるまでの1~2年は緊急事態かそれに準じた警戒を要する期間が 続く…

シェークスピア ソネット 87

ソネット 87 W.シェークスピア さようなら!あなたはわたしのものであるには貴過ぎるしあなたはきっと自分の価値をよくわきまえてもいるあなたの価値ある特権はあなたに自由を与えるわたしのあなたとの契約はすべて終了してしまった、あなたに受け入れられ…

コロナ雑詠

『コロナ雑詠』 2020年3~4月 リーダー リーダーを 責めるばかりは どうですか 虚心坦懐 よいことはよいと躊躇せず あらためるべきは あらためて 立場を超えて 助け合えたら 非常時は 問われるトップの 力量が 暮らし委ねて 命預けて家にいれば 怒りっ…

リーダー

リーダー リーダーを 責めるばかりは どうですか 虚心坦懐 よいことはよいと 躊躇せず あらためるべきは あらためて 立場を超えて 助け合えたら 非常時は 問われるトップの 力量が 暮らし委ねて 命預けて 家にいれば 怒りっぽくなる 家族とも けんかをしちゃ…

ひとりの文学者として

ひとりの文学者として 文学者である前に人間である。だが、文学表現をするとき文学者になる。人間という無限は有限でしか表現できないことを熟知している人間として。宇宙という巨大な広がりの中に一滴のしずくを落とすことこそはるかな隣人へと思いを伝える…

手紙

手紙 在宅の アルピニストの 言うことにゃ 家を掃除し 手紙を書こう そう言えば メールばかりで 手で書いた 手紙はがきを 出すのもまれだ 悪筆は 直らぬけれど 自分なりに 一字一字に 思いを込める 声かける 電波に乗せて 笑う顔 エレクトロマグネティックの…

新生

新 生 世の中は 変わってしまった われわれも 変わらなければ 生きてはいけぬ なんという 不自由世界 なにびとも 疑心暗鬼に 遠ざけ合って 新しい 生き方に慣れ お互いを 守り合いつつ 希望見出す ツイートは 癖になるんだ つぶやきは ぶつぶつ言えど 流れて…

春の雨

春の雨 雨は降る 景色は煙り 風も吹く 家々に聞く ため息深し この雨も やがては上がる 空晴れて 窓より遠く 稜線を見る くつろいで 過ごすつもりの 一日も 明日の予定が 立たぬ苛立ち くりかえし 沈む気持ちを 励まして 浮かぶ不安を 笑い飛ばそう 嘆きつつ…

シェークスピア ソネット 86

ソネット 86 W.シェークスピア わたしの熟考した思いを私の脳に閉じ込めそれらの思いが生まれ育った子宮を墳墓にしてしまうのはあなたというあまりにも貴い褒賞を手に入れようとするあの詩人の順風満帆の誇らしい詩のためであろうか?わたしを死に追いやっ…

夢想

嫌な現実から逃避する方法。 眠る。 好きなことに熱中する。 たとえば映画を見る。音楽を聴く。小説を読む。絵を描く。 お笑い番組を見る。 散歩をする。料理をする。電話でおしゃべりをする。 ゲームをする。 なにかを学習する。 なにかを組み立てる。なに…

有識者の言葉

なにごとも専門家の意見は重要だ。 新型コロナウイルスについても貴重な情報がたくさんある。 どうやらすぐれた専門家から見ても、新型コロナウイルスは 手ごわいようだ。 ①病理的な解析が進んでいないこと、 ②ワクチンがかんたんに開発できないこと、 ③感染…

手を洗おう Youtube

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小さな息

小さな息 大声で 叫ぶ人あり ひっそりと 歩む人あり ささやく人も 真実は 届きにくいが 良心は 小さな息に 乗って運ばる 混乱の さなかにありて 迷う道 しるべなければ 探りつつ行く のびのびと 小さな公園 こどもたち 遊んでいるよ どうかこのまま 知り過ぎ…

小さな気配

みんなひきこもって精神的に追い込まれているような気がする。 こんなとき世間を離れて仙人のようにひっそりと暮らすのがいいと思うが、 インターネットの発達した時代にあって多くの意見が寄せられているのを見ると、 自分の感じ方や思いを発信しておかなく…

ため息

ため息 ちっぽけな 自分であれば 沈黙が ふさわしいとも 思いつつ生く 愚かなる 自分であれば 賢明な 知者の言葉に 耳を傾く さりながら 自分は自分 ほかならぬ 生きるため息 漏らすことあり 結局は 良心的に 迷いつつ 決めるしかない 危機のさなかに 晴れた…

カレンダー

カレンダー コロナより 怖い偏見 憎しみを 弱める薬 開発望む 思い出す 違う意見を 排斥し 罵り合って 叩き殺した 絶望を 希望に変える 魔法薬 危機の今こそ 投入の時 できるだけ こきおろさない けなさない ちがういけんを もつのはしぜん 全力で 取り組む…

ツイート・アディクト

ツイート・アディクト 真率の 思い述ぶれど 届きえぬ 空しさあれど 筆は絶つまじ 真実は すこし退屈 読み過ごす ツイート消えて 溢れる噂 深く問う 意味はわからぬ ただすこし 寄り添いてみて なにかが通ず ツイートは ある種アディクト だとしても ぎりぎり…

手を洗おう(幼稚園児向け)

手を洗おう 手を洗おう手を洗おう水道の水でごしごしと石鹸つけて手を洗おう 触っちゃいけない顔に手で手にはウイルスついているウイルス口から入るからマスクで防ごうウイルスを 外に行ったら手を洗おう触ったところ拭き取ろうお風呂に入ってきれいにね 混…

換気に走る

換気に走る 花冷えの 春の嵐に 煽られて 歓喜無くして 換気に走る 散歩する 急傾斜地の 住宅地 はじめて下る この兎坂 細長く 曲がりくねった この坂を 昔は兎 走り過ぎたか 家並に 隠されてある 土の坂 ひとり辿れば 古偲ばゆ 今日もまた 新たな感染 死者数…

シェークスピア ソネット 85

ソネット 85 W.シェークスピア 寡黙なわたしの詩神は謙虚に沈黙を守っているほかの詩人たちのあなたへの溢れる称賛の言葉は卓越した技法を駆使し詩神を総動員した見事な称賛の詩篇によってあなたの美質を書き残す、ほかの詩人たちは巧みな言葉であなたを書…

王冠

王冠を 剥がし脱がせて 無力化す 壊し崩して 溶かし流してコロナん坊 洗い消毒 封じ込め ひとにうつるな ひとを殺すな泣き笑い 怒り喜び 悲しんで 感情線を 伸ばし縮める右目にて コロナ睨んで 左目は 娯楽番組 笑いつつ見る接するは 花鳥風月 犬や猫 悲しき…

食事

うららかな 春は誘えど 自粛中 食卓に 陽光射して こもりびと 窓辺にて 霞は深し 山遠し

自分にできること

コロナウイルスの感染拡大で世界が未曽有の危機に陥っている。 ・政府の役割、医療機関の役割、自治体の役割、民間の役割、個人の役割それぞれに重要だ。 ・生活に不可欠なサービスの確保・・・食料品、薬品、電気ガス上下水道、銀行、郵便局、公共交通機関…

宣伝『カンダハルの星』

外出自粛の中で、読書は有意義な時間の過ごし方の一つだと思われます。 Kindle版『カンダハルの星』は2018年刊行の小説です。 この機会に是非お読みくだされば幸いです! 小説『カンダハルの星』の紹介文です! アフガニスタンの四人の女性兵士が…

今後の見通し

4月7日に緊急事態宣言が出された。一か月間だから5月6日までだが、感染の状況によっては延長がありうるかもしれない。 頭の体操をしてみれば、こうなる。 1.もし何か月もこの状態が続けば、おそらく多くの企業が経営難に陥る。社員も相当数が失業する…