南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

シェークスピア ソネット 110

ソネット 110 W. シェークスピア ああ!そのとおりです。わたしはあちこちで遊んでいました そして自分を世間の笑いものにしていました 自分の考えに角を突き刺し、大切なものを卑しめました 新しい愛情によって旧来の罪を重ねたのです、 わたしが真実さえも…

シェークスピア ソネット 109

ソネット 109 W. シェークスピア おお!わたしが不貞を働いたなどと言わないでください あなたが不在の間わたしの愛の炎が弱まったように見えたとしても わたしが自分自身を去ることはたやすくないでしょう あなたの胸にあるわたしの心を去るのと同様に、 そ…

72歳

昨日72歳になりました。 正直、複雑な心境ですね。 でもいろいろ思い煩ってもなにも解決しませんよね。 創作意欲が続く限り、詩歌、小説、評論、エッセイ、英詩和訳等を書き続けたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。 外出自粛の折からSNS等で…

詩「洗濯物」の英訳「Washing」

洗濯物 南原充士 強風が洗濯物を飛ばした 肌着はダリの絵のシャツように ストッキングは下半身だけのマネキンのように ハンカチは竿から外れた白旗のように めいめいの形に伸びたり縮んだりしながら あちこちへと飛んでいった あわてて近所をさがしてみたが …

洗濯物

洗濯物 強風が洗濯物を飛ばした 肌着はダリの絵のシャツように ストッキングは下半身だけのマネキンのように ハンカチは竿から外れた白旗のように めいめいの形に伸びたり縮んだりしながら あちこちへと飛んでいった あわてて近所をさがしてみたが どこへ行…

「不満」

不 満 南原充士 不満を感じ始めると増大する。 不満を言い始めるととめどなくなる。 不満は回りまわって自分に返ってくる。 不満は内部へ侵入して危害を加える。 不満はすっかり自分を乗っ取り 気が付けば 不満が自分を語らって 大威張りで往来を歩いている。