2021-02-04 洗濯物 #詩 洗濯物 強風が洗濯物を飛ばした 肌着はダリの絵のシャツように ストッキングは下半身だけのマネキンのように ハンカチは竿から外れた白旗のように めいめいの形に伸びたり縮んだりしながら あちこちへと飛んでいった あわてて近所をさがしてみたが どこへ行ってしまったのか 影も形もなかった 今頃は いっぱいに広がって 遠い空の上を 踊るように飛んでいるかもしれない それらを丁寧に畳んだ手の中に ウールや綿やナイロンの感触だけを残して