南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

好き嫌いの彼岸

ニーチェに「善悪の彼岸」という著書がある。詳しいことは忘れてしまったが、人間なにかにつけて、煩悩につきまとわれて、すっきりと生きていくのは難しいので、「・・・の彼岸」とか「・・・のかなた」とかいう心境にはあこがれる。 ぼくが最近思うのは、【…

自立ということ

孤立と自立のちがいはむずかしい。言葉のちがいじゃなく、生き方としてのちがいが。 多かれ少なかれ、人間はひとりでは生きていけない。衣食住すべてをだれかに依存せざるをえない。自給自足なんてかんたんにはできない。 しかし、人間は社会的な生き物だ。…

捨てる勇気

自分が死んだときには自分はなにもできないのだから 心配しなくていいのだが、 死んだときに残された者の事を思うと 処理しておかなくちゃいけないと思えることがある。 遺言状の作成。財産はあまりなくても明確に意向を示しておいた方がいいだろう。 銀行口…

気持ちを読み取ること

ひとの気持ちを読むことはむずかしい。 はっきりと口に出してくれれば分かるが、黙っているとなかなか分からない。 男女関係がいちばん真剣になれる場合のひとつだろうが、利害と愛情は密接にからみあうのが 人間の常だ。社会性というか経済性というか。要は…

もし、性欲がなかったら・・・

性欲はふしぎだ。 動物は自然のままに生殖活動を行い、その結果として子孫が生まれる。 人間は、意識が芽生えてから、自分の欲望をコントロールすることを覚えてしまった。 性欲のままにセックスをするわけじゃない。 性欲を感じても相手がいないとか、相手…

ヒットソングの秘密

歌がヒットするってふしぎだ。 たくさんの歌のなかからなぜ特定の歌が好まれるのか? 映画や演劇もそうだ。 本や雑誌も。テレビドラマも。 さまざまな商品。 ケイタイ。PC.ファッション。飲料。電気製品。 売れるものにはどんな共通点があるのだろう? 同…

けなし上手

詩人仲間がいっぱいいる。 みなプライドがあるからおたがいの作品のことはけなさない。 そのせいかどうかわからないが、下手な詩をほめあうさまはなげかわしい。 同病相哀れむ。ほめ上手ばかりだ。高齢化社会でいきがいを奪っちゃいけない。プライドを傷つけ…

テレビゲームの時代

テレビゲームが進化して迫力満点のゲームが楽しめるのはいいことだ。 だが、エンターテインメントと芸術性は別だ。 ぼくが感じる、芸術の危機は、ITの発達と裏腹だ。 現実世界と空想世界。リアルとバーチュアル。そのバランスが崩れはじめている。 たとえ…

渡辺淳一論

ぼくが尊敬している作家のひとりだ。 性愛というものにきちんと向かい合える数少ない作家だ。 性愛にはタブーや偏見がつきものだ。 かなりの知識人でも性愛を科学的にとらえることはむずかしい。 渡辺淳一は医師の資格ももつ。 人間の生理をよくわかっている…