南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『文学における言葉の役割の再検証=詩を中心として』(その3)

『文学における言葉の役割の再検証=詩を中心として』(その3) 7.谷川俊太郎詩集「トロムソコラージュ」に即して これまで抽象論を展開してきたので、このへんで、具体的な作品をとりあげて論じてみたい。 やはり、詩は作品がすべてを語ると思うからだ。…

『文学における言葉の役割の再検証=詩を中心として』(その2)

『文学における言葉の役割の再検証=詩を中心として』(その2) 4.社会の変化と言葉の変化 言葉の本質が概念化にあるということを仮定すると、言語表現とは、点や線や断片を用いてデッサンを描くような作業だととらえることができる。 そこには余白をイメ…

『文学における言葉の役割の再検証=詩を中心として』

『文学における言葉の役割の再検証=詩を中心として』(その1) 1.言葉の限界 脳科学の発達で脳の機能についての研究が目覚しい進歩をとげている。 個人の心理や行動だけでなく、集団としての心理や行動についても、社会心理学や神経経済学といったジャン…

村上春樹「1Q84」を読む!

「村上春樹『1Q84』を読んで」 1.小説「1Q84」は、Book1と Book2の二巻からなり、それぞれ24章からなっている。主人公の、女性=青豆と男性=天吾が交互に登場するという構成がとられている。 なお、「1Q84」というタイトルは、有…