南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

すぷん4号

「すぷん」4号。坂多瑩子さん編集の詩と詩人への愛情溢れる素敵な詩誌。今号は柴田千晶特集。坂多さんをはじめ親しい詩人の寄稿や座談会などによって、魅力いっぱいに柴田さんの詩や俳句などが詩歴と共に紹介されている。自分のことばかりで精一杯のひとが…

紀の﨑 茜詩集&句集『永遠の音』

紀の﨑 茜詩集&句集『永遠の音』。詩と俳句が融合して不思議な時空が広がる。季節感と生死の意識の中でさまざまな情景が描かれる。「牛の目の悲しみ溜めた水たまり」「永遠の音なき音の深き宙(そら)」。人生の多くの苦しみを経て全ての現象は永遠の一刻な…

シェークスピア ソネット 125

ソネット 125 W. シェークスピア 天蓋を運ぶ役割はわたしにどんな意味があったのだろうか? わたしの外観によって世間的な敬意を表するというような あるいは永遠に保持されることを目指して設置した大きな基盤が 荒廃や崩壊よりも更に速やかに毀損してしま…

新詩集つれづれ=問わず語り

『 新詩集つれづれ=問わず語り 』 2021年8月25日 1.南原充士詩集=わが既刊詩集13冊を振り返って これまでの詩集についてどんな思いで刊行したのか振り返ってみたい。 まず、詩集『時間論』は、「時間」という身近なようで謎に満ちたものをかな…

シェークスピア ソネット 124

ソネット 124 W. シェークスピア わたしの心からの愛が時勢の子供なら それは運命の女神の私生児として父無し児かもしれない 時の愛あるいは憎しみに左右される 雑草の一種あるいは集められた花の一束にすぎないだろう、 いや、それはたまたま作られたもので…