南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アメリカ金融危機に際して(補論)(価Ⅱ=38)

価値観の研究第二部 アメリカ金融危機に際して(補論)(価Ⅱ=38) 1. アメリカ金融危機に対しては、各国が協調の上、最大限の努力をしているようだが、現実は、なかなか厳しく、日本の状況を見ても、円高、株安、輸出減少といったマイナスの事態が収ま…

アンスネス ピアノ・リサイタル

【アンスネス ピアノ・リサイタル (平成20年10月27日東京オペラシティ)】 1970年ノルウェー生まれの、レイフ・オヴェ・アンスネスは、日本でもその実力が高く評価されていると思う。昨日の、ピアノ・リサイタルも、盛況で、万雷の拍手に応えて、アンコ…

歴史的な観点から見たアメリカの金融危機の評価(価Ⅱ=37)

【 価値観の研究第二部 歴史的な観点から見たアメリカの金融危機(価Ⅱ=37)】 今回のアメリカの金融危機についての各国政府の対応や国際的な対応については、別途記したところであるが(なんでも評論のカテゴリー参照)、これまでの経緯を、「価値観の研…

特別展「源氏物語の1000年ーあこがれの王朝ロマンー」を見て

【特別展「源氏物語の1000年-あこがれの王朝ロマン―」(横浜美術館。平成20年8月30日―11月3日】 今年が源氏物語1000年紀にあたるということで、開催された特別展。 「紫式部日記」には、当時、源氏物語が広く読まれているという記述があり、それがちょうど1…

アメリカの金融危機=その3

さて、新聞やテレビの論調もかなり出されたので、とりあえずの状況整理をしたい。 1.まず対策としては (1)アメリカ独自の対策・・・金融安定化法による不良債権の買い上げがメイン その他、公的資金による資本注入、個人預金保護、 金利の引き下げ、貸…

ペーター・レーゼル べートーヴェン ピアノソナタ演奏会

『ペーター・レーゼル ベートーヴェン ピアノソナタ演奏会』 1.平成20年9月20日、紀尾井ホールで、ペーター・レーゼルのピアノリサイタルを聴いた。 ベートーヴェンのピアノソナタ全曲演奏会の第一回目。 20番、17番(テンペスト)、29番(ハン…

アメリカの金融危機=その2

日本人が三人もノーベル物理学賞を受賞したのは快挙であり、明るいニュースだ。素粒子論についての日本人の研究は世界をリードしているということだろう。湯川、朝永氏をはじめとする偉大な先人の伝統を引き継いでいるのだろう。 最近の金融不安のなかで、す…

アメリカの金融危機=その1

サブプライムローンに端を発する金融不安は、リーマンブラザーズという巨大証券会社の破綻によって象徴され、その他の巨大銀行、巨大保険会社の破綻が追い討ちをかけたのは周知のとおりである。 金融先進国アメリカでのかくも巨額の金融破たんは、まさに青天…

小句集『夏から秋へ』

小句集『夏から秋へ』 (お取り寄せ) 奪い合う 秋の新作 在庫無し 寝静まる 家屋露わに 稲光る 廃屋は すすきに隠れ 人の声 (現 物) 極小の ドラムを叩く 虫の声 極大の 夢幻広げる 秋の空 現物の あるがまんまの 秋の影 (ガラクタ) ガラクタも 光を浴…

小歌集『ぱぱいやままん』

小歌集「ぱぱいやままん」 (疼痛) 隠れ家の 戸口破られ 隙間風 見えない刃傷 疼痛と化す 藪からの イレクトファラス 如意棒に 戸惑い吠える 昼下がりの犬 (涙の海) 血と涙 海水と化し 肉と骨 土と変わりて 命生む床 (わけもなく) わけもなく 泣き続け…

小歌集『光る秋』

小歌集『光る秋』 (ひかり) 限りある いのちは光 目の中に 動きの先に 涙とともに 逝きてなお こころに灯る 光あり ぬばたまの闇 照らすいのちの ただひとり 別れも告げず 去るひとの 背中は透けて 声も届かず (とらわれびと) 危うさの 何かに気づく 今…

人物の評価=その4(価Ⅱ=36)

評価の対象となる人物の生きた時代や地位や影響力などによって、評価手法も異なりうるわけだが、評価の主体がだれかということも重要な要素である。 たとえば、会社の入社試験で人物を評価するのは採用にかかわる役員や社員である。そこでは、おそらくだれを…

人物の評価=その3(価Ⅱ=35)

人物の評価の難しさは、前述のように、情報の制約や評価の主観性という制約によるものであるが、それは結局は、評者による同一人物評価の多様性につながる。 たとえば、入社試験の面接の場合、役員、部長、課長、担当者などの間で評価は別れうるだろう。 社…