南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

アメリカ金融危機に際して(補論)(価Ⅱ=38)

価値観の研究第二部 アメリ金融危機に際して(補論)(価Ⅱ=38)

1. アメリ金融危機に対しては、各国が協調の上、最大限の努力をしているようだが、現実は、なかなか厳しく、日本の状況を見ても、円高、株安、輸出減少といったマイナスの事態が収まらないようだ。これがいつまで続くのか予測はむずかしいが、こういうときこそ、パニックにならずに冷静に行動することが必要だと思う。

 つまり、金融安定化策、追加の景気対策といったメニューを出し尽くしたら、あとは着実に実行するしかない。幸運を祈るだけだ。

 万が一、経済恐慌に陥ったらそのときはそのときで最大限の手を打つしかない。
 過去の例を見てもおぞましい事態が想像できる。

 おそらく、格差はますます広がり、生き残りの競争は熾烈なものになるだろう。

 そして、いつかは新たな秩序が回復するだろう。勝ち残ったものによる経済秩序が。

2.当面の危機に対して緊急の対策が講じられ、今後も適時適切な対策が講じられることが期待される。しかし、その他の課題もまた対策を講ずべきものであることはいうまでもない。

 すなわち、日本で言えば、これまで、論議されてきた諸問題、たとえば、年金問題、医療・介護の問題、消費税引き上げ問題、財政赤字減少対策、食の安全の問題、凶悪犯罪防止の問題、安全保障問題、産業政策、貿易制度、教育制度、国際貢献の問題、北朝鮮拉致問題、個人情報保護の問題、憲法改正問題、総選挙の時期の問題、そのほかの問題がある。

 こういう諸問題も、優先順位を明確にして、着実に措置されなければ、国民生活の安全と安心は確保されない。

 緊急事態には、どうしても他の問題をあとまわしにして火消しに大童にならざるを得ないが、頃合を見つつ、他の懸案事項を処理していくことは持続的な経済発展のためには不可欠である。

 麻生内閣も全力投球で世界のかつわが国の緊急事態に対処していると思うが、以上のような視点で最大限に最善と考えられる施策を実施してもらいたいと思う。

 願わくは、緊急対策が功を奏し、金融が安定化し、経済が回復し、ひとびとの生活に安定がもたらされることを切望する。