南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

朝青龍問題(その2)(価Ⅱ=7)

再び、朝青龍問題をとりあげてみよう。 こういう具体的な問題に対して関係者がどう対処するか、マスコミがどう報道するか、国民がどう受けとめるか、といったことをスタディするにはいい材料だ。 本件は、よちよち歩きながらも方向としては、いい方向に進ん…

決断(価Ⅱ=6)

わからないことをわからないとするのが科学的な態度だと強調してきたが、研究者ならわかりませんですむところを、政治家とか経営者とかはすべてをわかったうえで決断をするのではないところに問題のむずかしさがある。判断にまよいながらも決断を迫られる。…

「価値観外交とはなんだろう?(価Ⅱ=5)

最近、安倍総理の外交を『価値観外交』と名づけているようだ。マスコミがそう呼び始めたのか、安倍総理のほうで自らそう名づけたのかは知らないが、ちょっとおもしろい呼び方なので気になった。 なにせ、ぼくは、「価値観の研究」を書き続けている人間だ。と…

バカロレア(価Ⅱ=4)

テレビで、フランスの大学入試=バカロレアのことをやっていた。 文科系のバカロレアでは、哲学の比重が高いそうだ。哲学ってなんだろう?たとえば、「独裁政治家を暗殺することは許されるか?政治と道徳とのかかわりにおいて述べよ」といった問いに記述式で…

無宗教は可能か?(価Ⅱ=3)

お盆のシーズンということもあって、テレビでは、仏教関係の特集番組がいくつか放映されている。 ゲストが、仏教や仏像への敬虔な思いを述べるのを聞くと、なるほどという気持ちを感じるとともに、そんなにすんなりと宗教心て持てるのだろうか?という疑問も…

赤城農相のこと(価Ⅱー2)

赤城農林水産大臣の辞任については、非難轟々の環境の中で追い込まれた決断だっただろう。 赤城農相を弁護する意見はあまり聞かれない。 わが国のひとつの特徴であり、また、危険な点でもあるといわれるのが、付和雷同型の社会であることだ。 みんなが反社会…

朝青龍のこと(価Ⅱ-1)

朝青龍が二場所出場停止処分を受けた。マスコミはおおむねそれを支持しているように見える。 日本相撲協会の規定に基づいた適正な処分だから、手続き的には問題がないのだろう。 しかし、反対意見もありうると思う。 まず、朝青龍が診断書に基づいて巡業に参…

愛の鞭

鈴木志郎康さんのブログを見ていたら、詩の批評の場が少ないことを指摘し、コミュニケーションの回路をつくる必要性を強調されていた。 ぼくも詩を書き、読むということを長くしてきたが、「詩の批評の貧困」ということについて、長らく問題だと感じてきたの…