南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

朝青龍のこと(価Ⅱ-1)

 朝青龍が二場所出場停止処分を受けた。マスコミはおおむねそれを支持しているように見える。
 日本相撲協会の規定に基づいた適正な処分だから、手続き的には問題がないのだろう。

 しかし、反対意見もありうると思う。

 まず、朝青龍が診断書に基づいて巡業に参加しないことについては適正な手続きによるもので問題がない。

 モンゴルでサッカーの試合に出場したことは好ましくはないが、出場停止するほど重大なルール違反があったといえるか?

 巡業とサッカーの親善試合は肉体的な負担が全然異なる可能性もある。

 これまで、朝青龍は何年も一人横綱として相撲界に大きな貢献をしてきた。

 先場所もけがを押して優勝した。

 強い者は価値がある。

 プラスとマイナスを公平に量りにかければ、厳重注意か減俸処分ぐらいで十分だったのではないか?

 二場所も最強の横綱を出場させないなんて、ファンを軽くみている。

 礼儀正しくて弱い相撲取りより、少々暴れん坊だが、土俵上で無類の強さを発揮する相撲取りのほうが価値が高いとも言えるのではないか?

 モンゴル人であることや、モンゴル政府との関係が今回の処分に直接の関係はないと思うが、「横綱としてとんでもないことをした。厳罰に処するのが当然だ。」みたいな雰囲気が世間をおおっているようにも見える。

 果たして、今回の処分が的確だったかどうか?

 冷静に考えてみる意味はありそうだ。