南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2006-01-01から1年間の記事一覧

村上龍=精神の自由

きょうの日経朝刊におもしろい記事が載っている。 村上龍はぼくが注目している作家だが、「小説の価値を、『精神の自由』を与えるところに見出す」ところに共感する。 思うに、小説も詩歌もさらには音楽や美術などの芸術表現は、共通して、精神の自由を確保…

言葉はむずかしい

言葉はむずかしい。 とらえどころがない。 常にかわっていく幻のようなものだ。 いまはっきりとききとれる言葉も 時が過ぎると古語になり理解されなくなる。 ましてや方言ともなると外国語に近い。 標準語というものがある。 アナウンサーや俳優(きちんと訓…

モーツァルトイヤー

モーツァルトイヤーの熱狂もあと数日。 ことしはモーツァルトイヤーということに乗せられて 浮かれて過ごした一年だった。 しかし、個人的には、大きな収穫があったので、時間とお金を有効に使えたと思う。 180枚のCDをとっかえひっかえほぼ毎日のよう…

美しい日本語

言葉をたいせつにしない国は滅びる。 独自の文化の根本は言語だから。 バルバロイとはわけのわからない言葉を話すひと=野蛮人ととらえられた例もある。 方言だって実は根が深い。 関東と関西。 東京と大阪。京都。神戸。奈良。 名古屋。 北関東。 東北。九…

心理と真理

「真理」ってなに? 答えるのはむずかしい。 「心理」ってなに? 答えることはできそうだが、 その心理は、見えず掴めず測れず読み取れない。 でも人間の行動とともに重要な要素であるようだ。 具体例で話そう。 えっちしたい男と女がいれば問題ない。 男は…

好き嫌いの彼岸

ニーチェに「善悪の彼岸」という著書がある。詳しいことは忘れてしまったが、人間なにかにつけて、煩悩につきまとわれて、すっきりと生きていくのは難しいので、「・・・の彼岸」とか「・・・のかなた」とかいう心境にはあこがれる。 ぼくが最近思うのは、【…

自立ということ

孤立と自立のちがいはむずかしい。言葉のちがいじゃなく、生き方としてのちがいが。 多かれ少なかれ、人間はひとりでは生きていけない。衣食住すべてをだれかに依存せざるをえない。自給自足なんてかんたんにはできない。 しかし、人間は社会的な生き物だ。…

捨てる勇気

自分が死んだときには自分はなにもできないのだから 心配しなくていいのだが、 死んだときに残された者の事を思うと 処理しておかなくちゃいけないと思えることがある。 遺言状の作成。財産はあまりなくても明確に意向を示しておいた方がいいだろう。 銀行口…

気持ちを読み取ること

ひとの気持ちを読むことはむずかしい。 はっきりと口に出してくれれば分かるが、黙っているとなかなか分からない。 男女関係がいちばん真剣になれる場合のひとつだろうが、利害と愛情は密接にからみあうのが 人間の常だ。社会性というか経済性というか。要は…

もし、性欲がなかったら・・・

性欲はふしぎだ。 動物は自然のままに生殖活動を行い、その結果として子孫が生まれる。 人間は、意識が芽生えてから、自分の欲望をコントロールすることを覚えてしまった。 性欲のままにセックスをするわけじゃない。 性欲を感じても相手がいないとか、相手…

ヒットソングの秘密

歌がヒットするってふしぎだ。 たくさんの歌のなかからなぜ特定の歌が好まれるのか? 映画や演劇もそうだ。 本や雑誌も。テレビドラマも。 さまざまな商品。 ケイタイ。PC.ファッション。飲料。電気製品。 売れるものにはどんな共通点があるのだろう? 同…

けなし上手

詩人仲間がいっぱいいる。 みなプライドがあるからおたがいの作品のことはけなさない。 そのせいかどうかわからないが、下手な詩をほめあうさまはなげかわしい。 同病相哀れむ。ほめ上手ばかりだ。高齢化社会でいきがいを奪っちゃいけない。プライドを傷つけ…

テレビゲームの時代

テレビゲームが進化して迫力満点のゲームが楽しめるのはいいことだ。 だが、エンターテインメントと芸術性は別だ。 ぼくが感じる、芸術の危機は、ITの発達と裏腹だ。 現実世界と空想世界。リアルとバーチュアル。そのバランスが崩れはじめている。 たとえ…

渡辺淳一論

ぼくが尊敬している作家のひとりだ。 性愛というものにきちんと向かい合える数少ない作家だ。 性愛にはタブーや偏見がつきものだ。 かなりの知識人でも性愛を科学的にとらえることはむずかしい。 渡辺淳一は医師の資格ももつ。 人間の生理をよくわかっている…

村上 龍と村上春樹

村上 龍はぼくにはとてもよく理解できる作家である。 文学にとどまらず、経済やスポーツや音楽や風俗や職業紹介まで 多彩な活動をしている。いまはカンブリア宮殿の司会も務めている。 「限りなく透明に近いブルー」を読んだときあまりのエロチシズムに驚い…

香取真悟論

SMAPのなかで一番若くて一番からだがでかい。 ハンサムというよりは、個性的な顔立ちだ。 新撰組とか西遊記とかベトナム人とか透明人間とかユニークな役が多い。 明るくて行動的なところが人気の元か。 英会話に挑戦したり、お笑いに適性を発揮したり、…

稲垣吾郎論

SMAPのなかではおとなしいほうだ。 しかし、いちばん都会的なイメージがある。 ソフトな声ときれいなイントネーションはSMAP随一だ。 声優にも向いている。 ワインや車やおしゃれにも強そうだ。 クールな面とずっこけの面があり 上品さもある。 女性…

中居正弘論

SMAPのリーダー中居正弘。 あの才能あふれるグループをまとめる力は相当なものだ。 演技力も歌唱力もそれほどすぐれているとはいえない。 運動神経もね。 しゃべりが彼の異能といえるだろう。 いつもしゃべっている。 まちがっても突っ込まれてもしょげ…

草彅 剛論

SMAPはソロでやれる五人のソリストがアンサンブルも絶妙にできるというまれな例だ。 個性の違う五人組。 しゃべりの中居。 万能の木村。 都会的な稲垣。 お笑いの香取。 そして弱弱しい草彅。 草彅君は一見線が細く見えるが、なかなかの人材だと思う。 …

またまたブラームス

ゆうべラジオで聴いたブラームスのバイオリンソナタがあんまりよかったので一言触れたくなった。 ビクトリア・ムローバというバイオリニストがとても上手に弾いていた。 超Aクラスに入れてもいいぐらいい名曲名演奏だった。 無駄なところがない。甘く物悲し…

木村拓哉論

木村拓哉は魅力的なタレントだ。 おじさんのぼくからみても魅力を感じる。 女性からも相変わらず好かれているようだ。 30過ぎて既婚者で子供もいる。 それでも、多くの独身20代の若手俳優やタレントをおさえて上位にいる。 その秘密はなんだろう? ・も…

書評の必要性

情報化がここまで進むと自分にとって価値ある情報かどうかを選択することもたいせつになってくる。 本屋に行って多くの書籍や雑誌を前に立ち往生する。ぱらぱらとめくったぐらいじゃなかなか判断がつかない。そこで、目利きに頼りたくなる。 書評を見て価値…

ブラームス

ブラームスはすぐれた作曲家のひとりではある。 やや暗い美しさが魅力だ。だが、バッハ、モーツァルト、ベートーベンを超えてはいないと思う。 なぜか?よくわからない。 この三人は別格だからやむをえないのだと思う。便宜上この三人を超Aクラスとしよう。…

ヴィヴァルディ

ヴィヴァルディは、ヴェネツィアの作曲家、ヴァイオリニスト。1678ー1741。バッハとほぼ同時代に活躍した。 バッハやモーツアルトほどではないにしても、かなり有名だ。「四季」は日本でもよく知られている。 ぼくはヴィヴァルディの音楽をあまり聴…

美学

美とはなにか? 正確にはわからない。 でも美術というジャンルがあり、 美人、美貌、美観、美意識、美容、美化、美味、美声、美形、など 美のつく言葉もたくさんある。 いったいひとはなにに美を感じるのだろう? 絶世の美人をかたわらに美酒を味わうひと時…

たとえばPOPSは誰に向けて歌うのか?

サザンオールスターズの多くのヒット曲。 いとしのエリー。勝手にシンドバッド。真夏の果実。 ミスブランニューデイ。慕情。つなみ。白い恋人たち。 それぞれのヒット曲は対象が異なっているのかな? 桑田くんはどう思っているんだろう?・・・それには、興…

想定する読者はだれか?

詩を書くときにだれに向かって提出しようとしているのか? 最近、詩人同士で話題になった。ぼくも詩人のはしくれとしてあらためて考えてみた。 会って話すときは、相手がはっきりしているのでわかりやすい。一対一。数人。10人。20人。50人。100人…

フィクションとノンフィクション

フィクションになんの意味があるのか?という長年の疑問がある。 事実こそ意味があるのではないか?科学の真実。歴史的事実。 事実を正確に把握し記述するだけでも労力がいる。 科学の発展のためにも膨大な時間とお金と才能と労力が必要だ。 小説などを書く…

タブー

よのなかにはタブーというものがある。 表現の自由とタブー。 宗教と芸術表現との関係がその代表例だ。 キリスト教徒でないと、キリスト教にかかわる音楽はよくわからないし、没頭しきれない。 たとえば、ミケランジェロの最後の審判は人類史上まれに見る傑…

詩歌と散文

はじめは詩だった。もう四十年ぐらいの経験がある。 俳句と短歌はたまにしか作らない。きちんと作ろうとしたのはここ2,3年前からだ。 エッセイや評論もほとんどやってない。2,3回は詩集評をやったことがあるが。 ことしにはいってひょんなことから、散…