南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2012-01-01から1年間の記事一覧

最近の詩集評

最近の詩集評(2) 倉田良成詩集「横浜エスキス」。エッセイの趣のある詩篇。赤煉瓦倉庫、チャイナタウン、港、博物館、美術館、ジャズ祭など横浜の各所をノスタルジックに描きつつ、著者の自伝的な回想や街やひとびとの喧騒をリアルに交え、さらに幻想に満…

「現代詩手帖現代詩年鑑アンソロジー145篇」から10篇

「現代詩年鑑アンソロジー145篇」を読んだ。いずれ劣らぬ力作ぞろいだが、特に心を惹かれたのは、原満三寿、伊達風人、川上亜紀、城戸朱理、日和聡子、望月遊馬、桑原茂夫、四元康祐、浜江順子、柴田千晶の各氏の作品です。物語性の強い作品に惹かれるのかも…

最近の詩集評

『最近の詩集評』 岡野絵里子詩集「陽の仕事」。人はどこから来てどこへ行くのだろう。秋、冬、春、夏、秋、と並べられた詩篇。人は痛みや悲しみをかかえながらも光を見出すことで歩み続ける。生と死への暗示が正確で穏やかで聖なる言葉を探り当てる。光は陽…

「意思決定のプロセス」(価Ⅲ=10)

「意思決定のプロセス」(価Ⅲ=10) 価値観の研究第三部 その10 1.国内外の情勢が複雑化しさまざまな利害や考え方が対立を強めている状況の中では、なかなか物事が決まりにくい。国政においてその典型的な事例がみられる。 そのようなときにただ頭を抱…

『不完全な人類でも進化し続けることができるか?』

『不完全な人間が社会や国家を作り不完全な情報と判断力で不完全な結論を積み重ねるの を前提に世界は徐々に進歩するだろうという希望を捨てないでいられるか?』 (価値観の研究第三部その9)(価Ⅲ=9) 1.時間は止まらないから、とにかく世界は変化す…

『人間社会は基本的に不完全であるという認識』(価Ⅲ=その8)

『人間社会は基本的に不完全であるという認識』 価値観の研究第三部 その8 1.世界が平和であってほしいとか、人権が保障され、自由で民主的で豊かな社会が実現してほしいとか、人種や宗教や性別や貧富や家柄などで不当な差別は受けない社会であってほしい…