南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2013-01-01から1年間の記事一覧

『自伝』(価Ⅲ=35)

『自 伝』 価値観の研究第三部 その35 1.偉人伝は多くの場合本人以外のだれかが書くだろう。それに対して「自伝」は、文字通り本人が書くあるいは口述筆記や材料を提供してだれかが代筆するといった具合に、本人の関与の度合いが比較的大きいと言えるだ…

『偉人伝』(価Ⅲ=34)

『偉人伝』 価値観の研究第三部 その34 1.人間の感情に訴えるものにはいろいろあるが、文学もその代表例のひとつだろう。 文学は登場人物が欠かせない。歴史書なら人物や出来事の客観的な記述で終わるが、文学となると、登場人物の考えや行動を記すこと…

『 権力は悪か? 』(価Ⅲ=33)

『 権力は悪か? 』 価値観の研究第三部その33 1.「権力とは何か?」ということはさまざまに語られうると思うが、ここでは、それなりの見識を持ちながら、なにかにつけて、「反権力」「権力批判」を口にする人々が見受けられるので、「権力は悪か?」と…

『社会心理と個人の心理』(価Ⅲ=32)

『 社会心理と個人の心理 』 価値観の研究第三部その32 1.個人個人は極めて穏健で冷静で合理的な判断と行動をしても、団体として行動するときはまた別の要素が加わる。 群集心理といわれるものもその典型的な例だろう。 ある集会やデモに参加していると…

『 犠牲者の遺族 』(価Ⅲ=31)

『 犠牲者の遺族 』 価値観の研究第三部 その31 1.戦争や災害や事件、事故など人類の歴史には多くの痛ましい出来事があり、その犠牲者も膨大な数に上っている。特に犠牲者の遺族が生存している場合には、その出来事の取り上げ方も注意を要する。 2.た…

『 歴史認識について 』(価Ⅲ=30)

『 歴史認識について 』 価値観の研究第三部その30 1.日本にとって諸外国との関係は最大の重要性を持っている。特にグローバル化が急速に進みつつある現在の国際社会においてはそう言える。とりわけアジア諸国中でも中国と韓国との関係は特別に重要であ…

『 故人の残したもの 』(価Ⅲ=29)

『 故人の残したもの 』 価値観の研究第三部 その29 1.一人の人間が一生の間に残すものは、様々だ。個人差もある。その遺産(有形・無形のもの)はその人間が死んだからといって消滅するわけではない。良くも悪くも、死後にまで様々な影響を与えることに…

『 子供ニュース 』(平成25年5月)

『 子供ニュース 』 1.憲法改正 戦争放棄は尊い方針だけど、どこかの国が攻めて来たらこちらも迎え撃つ必要があるよね。同盟国と協力することも必要だし、みんなでよく議論して、どうしたらよいかを決めたほうがいいと思う。 2.消費税値上げ 税金は上が…

『 遺族の立場 』(価Ⅲ=28)

『 遺族の立場 』 価値観の研究第三部その28 1.自分が死を迎えるという観点から縷々述べてきたが、遺族の心身のダメージもまた甚大であり、どのように考えたらいいかを整理しておくことには大きな意義があるだろう。 2.遺族と言っても、さまざまなケー…

『精神の自由の確保』(価Ⅲ=27)

『 精神の自由の確保 』 価値観の研究第三部 その27 1.さまざまな価値観を有する個人、地域、社会、国家等がこの地球上には存在するが、それらがいかにして価値観の多様性を相互に認め合い尊重し合い平和的に共存共栄しうるかということが価値観の研究の…

「南原充士」自作英訳小詩集(その4)

A shadow Thinking that it was a haystack , I approached to it, but it was only a shadow Oxen were confained in a plane ,just after the last crying Long time has passed since cowboys stopped whistling I didn't look back after I left the bar…

「南原充士」自作英訳小詩集(その3)

For fun Completely drunken Feeling very good Dust and garbage By the magical cane Change into a field in bloom All at once To Ta run run To Ta run run The world goes round Dogs, cats, cockroaches , Tails of reptile Living things And not li…

「南原充士」自作英訳小詩集(その2)

Ever after A lot of things happen in an instant Too many cries are heard in the areas far away Tears shed and wet the ground inconstant They walk around where the homes existed on the way A boy passes by without facial expression A girl st…

「南原充士」自作英訳小詩集

“Some poems written and translated by Nambara Jushi” [Contents] Hydrangea Nothing special No A little bit Pastime Ever after A flag A song Structure of mind Refrain For fun A canoe Suddenly Soup Like my age A shadow Easy Don’t come here Fr…

「 生きることへの反転 』(価Ⅲ=26)

『 生きることへの反転 』 価値観の研究第三部その26 1.死というものを見つめても悟りが開けるとは限らない。そこで、死を突き詰めることを一時やめるという選択もある。となれば、日常のわずらいへと視点は帰って行き、いかに生きるべきかというこれま…

『 小さな楽しみの発見 』(価Ⅲ=25)

『 小さな楽しみの発見 』 価値観の研究第三部 その25 1.老いるにつれて心身に障害がみられるようになると、在宅にせよ施設入居にせよ、なんらかの手助けや介護が必要になる。 障害の程度はひと様々なので、介護サ-ビスもそれぞれに応じた内容が求めら…

『 大義名分ということ 』(価Ⅲ=24)

『 大義名分ということ 』 価値観の研究第三部その24 1.人間には生きる意味があるかどうかと正面から問われれば答えに窮する場合もあるだろう。後付けの理屈はいろいろ言えるが、そもそも『生まれてきてしまった』人間には生まれるかどうかの選択権がな…

『 なにかのために命を投げ出すということについて 』(価Ⅲ=23)

『 なにかのために命を投げ出すことについて 』 価値観の研究第三部 その23 1.死ぬのを恐れる人間が時としてなにかのために命を投げ出すことがある。 我が国の歴史を見ても、切腹、特攻隊など社会的な強制による場合もあれば、三島由紀夫のように憂国 の…

『 表現のほどよさとは? 』(価Ⅲ=22)

『 表現のほどよさとは?』 価値観の研究第三部 その22 1.人間のコミュニケーションの基本は言葉で伝えることである。 表情やしぐさや映像等で伝えることもあるが、基本は言葉によるコミュニケーションである。 2.言葉はいつも使っているが、実際はと…

『 死ぬまで生きるということ 』(価Ⅲ=21)

『 死ぬまで生きるということ 』 価値観の研究第三部 その21 1.死が間近に迫っている場合とある程度余命が限られている場合と明確な死期がわかっていない場合とでは、人間の生きる意識や姿勢に違いがあっても不思議ではない。 2.死が間近に迫っている…

『 死から見た生 』(価Ⅲ=20)

『 死から見た生 』 価値観の研究第三部 その20 1.自分の死を想定して、そこから生きている自分を眺めてみるというようなことをしてみると、生と死というものがより密接に思えてくるかもしれない。 さらには、心身の能力が衰えて、十分な活動ができなく…

『 死の社会性 』(価Ⅲ=19)

『 死の社会性 』 価値観の研究第三部 その19 1.死は個人のものだが、死の社会的な関わりは無視できないものだと思う。 それは生と死とをひっくるめた社会性と言えるかもしれない。 生老病死は、すべての段階でなんらかのかたちで他者の助けを得て成り立…

『 死後の世界 』(価Ⅲ=18)

【 死後の世界 】 価値観の研究第三部 その18 1.死後の世界については、古来さまざまなことが言われてきたが、だれにも確かめることはできない。 エジプトのミイラは人間が蘇ることを信じた上での制作だっただろうし、仏教の浄土や地獄、輪廻といった考…

『 ホスピスなど 』(価Ⅲ=17)

『 ホスピスなど 』 価値観の研究第三部 その17 1.死への道筋がさまざまであって、多くの人間が老いや病気や事故等により介護が必要な状況に追い込まれる時代状況の中で、人間が尊厳ある死を迎えられるようにすることは社会的に重要なことだろう。 医療…

『 自殺について 』(価Ⅲ=16)

『 自殺について 』 価値観の研究第三部 その16 1.死を恐れる人間の多い中で、自ら命を絶つ人間もいる。 最近の日本でみれば、毎年約3万人の自殺者がいるという。痛ましいことだ。 その原因は、病苦、借金苦といった割合が多いらしい。追い詰められて、…

『 死への道筋 』(価Ⅲ=15)

『 死への道筋 』 価値観の研究第三部 その15 1.人間の死に方はさまざまだ。老衰、自然死、病死、事故死、自然災害による死、犯罪による死、決闘やケンカによる死、無差別殺人による死、テロ、戦争、戦闘、内乱等による死、刑死、虐殺、自殺、心中など。…

『 死への恐怖 』(価Ⅲ=14)

『 死への恐怖 』 価値観の研究第三部 その14) 1.死への感情は複雑だろう。恐怖感、絶望感、錯乱、無気力、あきらめなど。 漠然とした不安や自分がいなくなってしまうことへの恐怖感や精神的な錯乱にふりまわされるのはごく自然なことだと思える。 2.…

『 遺言など 』(価Ⅲ=13)

『 遺言など 』 価値観の研究第三部 その13 1.自分の死を冷静に考えてみれば、すでに故人となったひとびとがどんな死の準備をしていたかについて関心をもつだろう。 ちなみに本居宣長は、ヤマザクラを配置した自分の墓のデザインを書き残しておいたそう…

『 死の捉え方 』(価Ⅲ=12)

『 死の捉え方 』 価値観の研究第三部その12 1.人間は死を免れない。Man is mortal. 死を忘れるな。 Memento mori. ということは古来言われてきたが、そのニュアンスは、時代とともに変化してきたらしい。もともとは、「どうせ死ぬのだから生きている間…

『死について』(価Ⅲ=11)

『 死について 』 価値観の研究第三部その11 1.生老病死という言葉がある。人生を簡潔に言い表していると思う。 だれも「生まれるの」であって、気が付いたらこの世に存在するという出発点に立っている。芥川龍之介の小説「河童」のような選択権はないの…