南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

『 子供ニュース 』(平成25年5月)

 

           『 子供ニュース 』


1.憲法改正

 戦争放棄尊い方針だけど、どこかの国が攻めて来たらこちらも迎え撃つ必要があるよね。同盟国と協力することも必要だし、みんなでよく議論して、どうしたらよいかを決めたほうがいいと思う。

2.消費税値上げ

 税金は上がらない方がいいけど、日本はお年寄りがどんどんふえているので、医療費や介護費や年金など社会福祉の費用はふえているから、その費用をまかなうためにはなんらかの収入が必要になっている。所得税とか法人税とかいろいろな税金があるなかで、消費税を上げるのがよい方法だという結論になったようだ。

3.財政赤字

 日本の財政赤字は何百兆円もあって、危機的らしい。そのためには、支出を抑えて税金や保険料を上げるのがいいのだが、急激にやると経済や家計に悪影響を及ぼすおそれがあるので、徐々に改善を図ることにしているそうだ。
 日本は、大量の国債を発行しているけど、へたをすると国債が暴落して日本経済が沈没する心配がある。そうならないように、政府や日銀にがんばってもらう必要があるんだ。

4.少子高齢化

 日本人の年寄りの割合が高くなって、医療・介護、年金などの費用が増えるのに、若いひとの人口は減って行くので、税金や保険料の負担が重くなっていく。
 年寄りと若いひとたちの間の負担を公平にするためにはどうしたらいいかいろいろ議論がなされているわけなんだ。

5.普天間基地移転

 民主党の総理大臣が沖縄県民の負担軽減のため日米政府間で約束した方針を変更しようとして失敗したわけだ。話はややこしくなってしまったけど、粘り強く話し合いを続けて解決策を決める必要があるね。

6.尖閣諸島

 領有権問題は、国益の最重要課題のひとつだから、ひとたび火が付くとそうかんたんには収まらない。感情的になって武力行使をすることなく、冷静に対処していくべきだよね。
 言うべきことは言い、国際社会の理解を求める努力を続ける必要があるけど、そうかんたんに合意に達することはないだろうね。議論はしばらくは平行線だと見たほうがいいね。

7.北方領土

 これもまた領土問題なので、かんたんに解決は期待できないだろうね。交渉を続けていくということで解決の糸口が見えてくればいいのだけどね。

8.靖国参拝

 日本のために命を落としたひとびとの霊を慰めるということ自体は当然のことだけど、近隣諸国が批判的な見方をしているという事実も重く受け止める必要があるわけだ。
 日本としては筋を通しながら、対日感情にも配慮して徒に諸外国を刺激しないように、賢明な対応をとることが望まれるね。

9.従軍慰安婦

 戦争中の問題であり、戦後、関係政府間での処理がなされたとみることができるけど、女性の人権にかかわるデリケートな問題なので、内外ともに慎重に対応していく必要があるわけだ。

10.歴史認識

 先の戦争について、侵略したかどうかとか大量虐殺があったかどうかについては、国によって見方が異なっている。複雑な経緯や利害や事情がからんでいるので、そうかんたんに歴史認識の統一は実現しないけど、可能な限り共通の認識に近づけようとする努力は大切なんだ。