南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

『 故人の残したもの 』(価Ⅲ=29)

 

         『 故人の残したもの 』


                                 価値観の研究第三部 その29


1.一人の人間が一生の間に残すものは、様々だ。個人差もある。その遺産(有形・無形のもの)はその人間が死んだからといって消滅するわけではない。良くも悪くも、死後にまで様々な影響を与えることになる。

2.個人の残した有形無形の遺産としては、たとえば、文字通り相続財産がある。財産があれば、遺書などで分割方法を明示しておくと遺族の間に争いが起きなくていいだろう。

 ほかには、結婚関係や子供などの関係がある。配偶者や配偶者だった者、子供、その他の家族との関係などが考えられる。。
 結婚や離婚を何回かして何人かの子供がいる場合などは、相続関係も複雑になるだろう。

 また、親類関係も生前の付き合い方によって遺族に影響を及ぼすだsろう。

 さらには、仕事関係の人間関係や功罪が、遺族にプラスマイナスの影響を及ぼすこともあるだろう。

 そのほか、交友関係、地域との関わり、ボランティア、表彰歴、犯罪歴、趣味などがいろいろなかたちで遺族に影響を与えることもあるだろう。

3.以上のように、一人の人間が生きることはさまざまな関係を構築する。自分の死後のことまで考えて生きることは難しいかもしれない。遺族へ悪い影響を与えないように努力して生きる人もいれば、傍若無人に生きる人もいるだろう。

 いい評判は遺族にはプラスに働き、悪い評判はマイナスに働くだろう。
 人間という者は生まれて死ぬまでのみならず死んだ後までもこの世に影響を与え続ける因果な生き物だとつくづく思える。いかに生きるか、それは個人の問題だろうか?それとも社会の問題だろうか?それらを超えた問題だろうか?