南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

#練習用

『シャルリ・エブド事件について』

『シャルリ・エブド事件』について 1. 今回の「シャルリ・エブド」(わかりやすく言えば、「週刊チャーリー」という名のフランスの週刊風刺漫画紙)事件は、国際社会に大きな衝撃を与えたし、それに対する様々な意見も示され、ヨーロッパの首脳を中心とし…

「英詩の勉強会」

『英詩の勉強会』に参加して 平成26年11月8日自由が丘で開催された、『英詩の勉強会』に参加した。講師はヤリタミサコさんと南川優子さん。おふたりともよく勉強されていてきわめて刺激的で内容の濃いレクチャーだった。 ヤリタさんは、メキシコ系アメ…

逆翻訳

『逆翻訳』 外国語を日本語に翻訳するという例はよく見られる。 日本の古典文学を現代語訳するという例もある。たとえば、源氏物語の現代語訳など。 同時代人の文章だって、実際には自分の言葉で置き換えているはずだから、それも一種の翻訳と言って良いだろ…

『 死ぬまで生きるということ 』(価Ⅲ=21)

『 死ぬまで生きるということ 』 価値観の研究第三部 その21 1.死が間近に迫っている場合とある程度余命が限られている場合と明確な死期がわかっていない場合とでは、人間の生きる意識や姿勢に違いがあっても不思議ではない。 2.死が間近に迫っている…

『 死の社会性 』(価Ⅲ=19)

『 死の社会性 』 価値観の研究第三部 その19 1.死は個人のものだが、死の社会的な関わりは無視できないものだと思う。 それは生と死とをひっくるめた社会性と言えるかもしれない。 生老病死は、すべての段階でなんらかのかたちで他者の助けを得て成り立…

『 自殺について 』(価Ⅲ=16)

『 自殺について 』 価値観の研究第三部 その16 1.死を恐れる人間の多い中で、自ら命を絶つ人間もいる。 最近の日本でみれば、毎年約3万人の自殺者がいるという。痛ましいことだ。 その原因は、病苦、借金苦といった割合が多いらしい。追い詰められて、…

『 詩の批評の批評について 』

『 詩の批評の批評について 』 1.詩は小説ほど売れるものは少なく詩人もまた職業詩人と言えるものは少 ない。それでも詩は書かれ続けており、少ないながらも詩作に心血を注いでいるものもいる。 2.詩をめぐる状況の中で、気になることのひとつに、批評の…

『 芸術の論理 』

『 芸術の論理 』について 1.芸術の価値をどのように評価するかは難しい問題だ。 芸術は客観的な評価基準が確立されにくい。どうしても主観的な評価がなされやすい。それは往々にして好き嫌いという好ましくない評価基準に行き着く。 それではどうしたら、…

『 エフゲニー・キーシン ピアノリサイタル 』(H21.4.26サントリーホール)

『 エフゲニー・キーシン ピアノリサイタル 』 (H21.4.26 サントリーホール) 1.昨夜、サントリーホールは異様なほどの熱狂につつまれた。 約2時間リサイタルが終わっても、ほとんどの聴衆は席を立たない。万雷の拍手と怒号のようなブラボーの声…

「越落の園」の構成について

読者各位 このブログもだんだん記事がふえてきたので、お読みくださる方も戸惑いを感じられるかもしれないので、簡単にブログの構成について説明しておきたいと思います。 1.「価値観の研究第一部」(50篇)、「価値観の研究第二部」(50篇)及び「価値…

田母神、前航空幕僚長の発言について(価Ⅱ=39)

『 田母神、前空幕長問題について 』 最近、マスコミ等で大きく取り上げられ、話題となっている田母神前航空幕僚長の発言については、さまざまな意見が示されている。 小生も「価値観の研究」の立場から、かんたんにコメントしておきたい。 「政府見解」と「…

アメリカの金融危機=その1

サブプライムローンに端を発する金融不安は、リーマンブラザーズという巨大証券会社の破綻によって象徴され、その他の巨大銀行、巨大保険会社の破綻が追い討ちをかけたのは周知のとおりである。 金融先進国アメリカでのかくも巨額の金融破たんは、まさに青天…

小歌集『ぱぱいやままん』

小歌集「ぱぱいやままん」 (疼痛) 隠れ家の 戸口破られ 隙間風 見えない刃傷 疼痛と化す 藪からの イレクトファラス 如意棒に 戸惑い吠える 昼下がりの犬 (涙の海) 血と涙 海水と化し 肉と骨 土と変わりて 命生む床 (わけもなく) わけもなく 泣き続け…

愛の鞭

鈴木志郎康さんのブログを見ていたら、詩の批評の場が少ないことを指摘し、コミュニケーションの回路をつくる必要性を強調されていた。 ぼくも詩を書き、読むということを長くしてきたが、「詩の批評の貧困」ということについて、長らく問題だと感じてきたの…

人間関係=その12(三角関係)(価値観の研究=その39)

人間関係も1対1の関係ならわかりやすい。 だが、現実は多くの人間が存在して、複雑な力学が作用する。 そこで、とりあえず。三角関係をとりあげてみよう! ぼくの友人にAとBとがいるとする。 AとBがけんかをして、絶交し、当面仲直りの見通しが立たない…

人間関係=その11(人格形成)(価値観の研究=その38)

一人の人間が、ある価値観をもとに発言し行動する。 すると、他人からの反応なり見方がありうるはずである。 ある集団のなかでのある人物の評価というものがある。 その「人物評価」はどのようになされるのだろう? ある程度の時間の経過とそのあいだになさ…

人間関係=その8(コミュニケーション)(価値観の研究=その35)

前回、相性が悪いと思った相手からは、可能な限り距離をとるべきことを述べたが、しかし、人間の相互理解は相性のわるい相手であっても、断念すべきではない。白黒のレッテルをはりすぎるのは、(価値観の異なる人間の共存というのが最優先の目的なので、)…

谷川俊太郎「詩を読み、語る」(聞き手*小池昌代)

きょう、「立教大学文学部100周年記念行事」のひとつとして、同大学タッカーホールで開催された、「谷川俊太郎『詩を読み、語る』」というイベントに行った。聞き手は、同大文学科文芸・思想専修特任教授、小池昌代(敬称略)だった。 大きなホールには、…

丁 海玉さんの作品について

仲山清さんの主宰されている詩誌「鰐組」 のweb版「ポエムスタジオレプタイル・サスペンス」はなかなか魅力的な誌面作りで、ちょくちょく訪問させてもらっている。 すぐれた詩や評論が掲載されているので、それらを読むのが楽しみだ。 そういった作品群のな…

ユーロシード

最近オープンしたワインショップ「ユーロシード」。四谷駅から新宿通りを新宿方面に五分ほど歩いたところにある。 フランス、イタリア、スペイン産などのワインのほか、ウイスキーなどもそろえている。オリーブオイルやパスタなどの食材もある。イベリコぶた…

美しい日本語

言葉をたいせつにしない国は滅びる。 独自の文化の根本は言語だから。 バルバロイとはわけのわからない言葉を話すひと=野蛮人ととらえられた例もある。 方言だって実は根が深い。 関東と関西。 東京と大阪。京都。神戸。奈良。 名古屋。 北関東。 東北。九…

自立ということ

孤立と自立のちがいはむずかしい。言葉のちがいじゃなく、生き方としてのちがいが。 多かれ少なかれ、人間はひとりでは生きていけない。衣食住すべてをだれかに依存せざるをえない。自給自足なんてかんたんにはできない。 しかし、人間は社会的な生き物だ。…

フィクションとノンフィクション

フィクションになんの意味があるのか?という長年の疑問がある。 事実こそ意味があるのではないか?科学の真実。歴史的事実。 事実を正確に把握し記述するだけでも労力がいる。 科学の発展のためにも膨大な時間とお金と才能と労力が必要だ。 小説などを書く…

タブー

よのなかにはタブーというものがある。 表現の自由とタブー。 宗教と芸術表現との関係がその代表例だ。 キリスト教徒でないと、キリスト教にかかわる音楽はよくわからないし、没頭しきれない。 たとえば、ミケランジェロの最後の審判は人類史上まれに見る傑…

詩歌と散文

はじめは詩だった。もう四十年ぐらいの経験がある。 俳句と短歌はたまにしか作らない。きちんと作ろうとしたのはここ2,3年前からだ。 エッセイや評論もほとんどやってない。2,3回は詩集評をやったことがあるが。 ことしにはいってひょんなことから、散…

モーツアルト

ことしはモーツアルト生誕250周年ということもあって、さまざまなイベントが実行されている。 ぼくも思わず、モーツアルト全集を買ってしまった。毎日のように、CDをとっかえひっかえして聴いている。 前に、バッハ全集を買ったことがあるが、やはりそ…

作詩教室

ずいぶん長く詩を書いてきた。詩集も出した。最近出版した詩集は、渾身の力を込めて書いたものだ。 そろそろ、若いひとにいろいろなノウハウを伝授したい。それほど大したもんじゃないかもしれないが。 20歳前後で詩を書いているひとがいたら、ぼくに見せ…

演歌

流行は文字通り流行だ。変わりやすい。 その最たるものが「演歌」だろう。 いまの50代以上の世代には親しみやすいジャンルだったものが、 若い世代にはなじみのうすいものになってしまった。 流行歌のはやりすたりは、クラシック音楽の比ではない。 一体な…