南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2008-10-03から1日間の記事一覧

小句集『夏から秋へ』

小句集『夏から秋へ』 (お取り寄せ) 奪い合う 秋の新作 在庫無し 寝静まる 家屋露わに 稲光る 廃屋は すすきに隠れ 人の声 (現 物) 極小の ドラムを叩く 虫の声 極大の 夢幻広げる 秋の空 現物の あるがまんまの 秋の影 (ガラクタ) ガラクタも 光を浴…

小歌集『ぱぱいやままん』

小歌集「ぱぱいやままん」 (疼痛) 隠れ家の 戸口破られ 隙間風 見えない刃傷 疼痛と化す 藪からの イレクトファラス 如意棒に 戸惑い吠える 昼下がりの犬 (涙の海) 血と涙 海水と化し 肉と骨 土と変わりて 命生む床 (わけもなく) わけもなく 泣き続け…

小歌集『光る秋』

小歌集『光る秋』 (ひかり) 限りある いのちは光 目の中に 動きの先に 涙とともに 逝きてなお こころに灯る 光あり ぬばたまの闇 照らすいのちの ただひとり 別れも告げず 去るひとの 背中は透けて 声も届かず (とらわれびと) 危うさの 何かに気づく 今…