南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

人間関係=その11(人格形成)(価値観の研究=その38)

 一人の人間が、ある価値観をもとに発言し行動する。

 すると、他人からの反応なり見方がありうるはずである。

 ある集団のなかでのある人物の評価というものがある。

 その「人物評価」はどのようになされるのだろう?

 ある程度の時間の経過とそのあいだになされた発言と行動そしてその結果や成果によるだろう。

 生来の性格や能力そして本人の努力の総合体として決まるのだろう。運もあるだろう。

 ある発言に耳を傾けるとき、発言者に対する敬意や好意がベースにあればすんなり入ってくる。

しかし、発言者に不信感や嫌悪感をもっているときは、同じ発言内容でも。伝わり方が違ってくるような気がする。同じことを言っても、誰が言うかで影響力や、受け止め方に違いが生じることはよくある。

 そこで、言葉による影響力を望むものは、すべからく、自分の人格が他人に受け入れられているかどうか、プラスの評価を受けているかどうかを気に留める必要がある。

 ある程度評価が定まり、有名にでもなれば、他人ははじめから、敬意をもって話を聞こうとするだろう。

 したがって、本来は、ある発言内容とは関係ないはずの人格や過去の実績や歴史がかかわって発言力を増減させる効果をもつことを忘れてはならないだろう。

 ある人物がどんなに誠実に努力をしても他人から十分な評価を得られる保証はない。しかし、人格形成への努力をしないひとは、尊敬の対象にはなりにくいだろう。

 発言に力を求めるには、まず人格を磨き、言葉を磨き、行動を磨いて、総合的な人間としての評価を得ることが重要なのかもしれない。

 もちろん、科学的な発見などは、内容だけが勝負かもしれないが・・・。