南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

「価値観の研究」第二部

『世界は今?』  (価Ⅱ=50)

『 世界は今? 』 (価値観の研究第二部=50) 価値観の研究第二部もこれで50篇目。これをもって一応の区切りとしたい。 しめくくりとして、世界の現状を概観した上で、価値観の共存の重要性を再確認したいと思う。 1. 世界の現状 昨秋、百年に一度の…

『 革命とはなにか? 』 (価Ⅱ=49)

『 革命とはなにか? 』 (価値観の研究第二部=49) 1.人類の歴史を振り返るとき、紆余曲折はあるものの、大きな流れとしては、人類は、基本的人権が尊重され、平和で豊かな社会に向かって前進しているように見えるし、そう信じたい。 だれもが平和な世…

『 アンケート調査の位置づけ 』 (価Ⅱ=48)

『 アンケート調査の位置づけ 』 (価値観の研究第二部=48) 1.すべてのことに対して科学的なアプローチをしたいと思うのは基本的には妥当な姿勢だと思う。しかし、自然科学のようなジャンルならいざ知らず、社会科学のように人間の心理的な要素が絡ん…

『 アラサー、アラフォーについて 』(価Ⅱ=47)

『 アラサー、アラフォーについて 』 (価値観の研究第二部=47) 1. 最近、テレビドラマがきっかけとなって「アラサー」とか「アラフォー」という新語が生まれた。アラウンド・サーティーとかアラウンド・フォーティーの略で、英語で「おおよそ30」と…

『 選択するということ 』(価Ⅱ=46)

『 選択するということ 』 (価値観の研究第二部=46) 1. 人生の各段階で、ひとは、さまざまな決断を迫られる。 幼いうちは、親などの後見人が決定を下すだろうが、成長するにしたがい、自分の決断というものが必要になる。 たとえば、中学、高校、大学…

『 老いることは悪いことか? 』=(価Ⅱ=45)

『 老いることは悪いことか? 』 (価値観の研究第二部 その45) 古ゆ 人の言いくる 老人の 変若つといふ水そ 名に負ふ滝の瀬 万葉集 寒6-1034 1. 古来、不老長寿の薬が求められ、若返りの秘術が追究され、アンチエージングの方策が探られてきた。…

『 《ひとはだれも死をまぬかれない》 という認識 』(価Ⅱ=44)

『 《 ひとはだれも死をまぬかれない 》 という認識 》 (価値観の研究第二部 その44) 1. 人間はだれも「生まれる」のであって、そこには選択権はない。あとは、死ぬまでどのように生きるかが残されているだけだ。 生きることが耐えられなくなれば、自…

「『生きがい』について」(価Ⅱ=43)

「 『生きがい』について 」 ( 価値観の研究第二部 その43 ) 1. なにを今更「生きがい」を取り上げるのかと疑問に思う方もいるかもしれない。 しかし、やはり、「生きがい」が、人間にとって最大の問題であることは変わらないのだとあらためて思う。 …

言葉と行動(価Ⅱ=42)

『 言葉と行動 』 価値観の研究第二部 その42 (価Ⅱ=42) 言葉と行動は必ずしも一致しない。それには、さまざまな理由があるだろう。政治的、経済的、社交的、個人的、故意、過失等々。 人間は、いろいろな場面で、言葉を求められる。沈黙は金だが、言…

デュー・プロセスについて(価Ⅱ=41)

『 デュー・プロセス 』 (価値観の研究第二部 その41)(価Ⅱ=41) 金融危機への対策が、内外で鋭意進められる中で、できるだけ早い景気回復が望まれるところであるが、昨今の日本国内の論議で気がかりなのは、法律的な議論が感情論や立法論と混同され…

異なった価値観は常に存在し続ける(価Ⅱ=40)

【異なる価値観は常に存在する】(価値観の研究第二部 その40) 1.ことし(西暦2008年、平成二十年)の世界経済は、アメリカの金融危機に端を発して、全世界を巻き込む史上稀な不景気に突入した。 幸い、過去の大恐慌やバブル経済の破綻という経験を…

田母神、前航空幕僚長の発言について(価Ⅱ=39)

『 田母神、前空幕長問題について 』 最近、マスコミ等で大きく取り上げられ、話題となっている田母神前航空幕僚長の発言については、さまざまな意見が示されている。 小生も「価値観の研究」の立場から、かんたんにコメントしておきたい。 「政府見解」と「…

アメリカ金融危機に際して(補論)(価Ⅱ=38)

価値観の研究第二部 アメリカ金融危機に際して(補論)(価Ⅱ=38) 1. アメリカ金融危機に対しては、各国が協調の上、最大限の努力をしているようだが、現実は、なかなか厳しく、日本の状況を見ても、円高、株安、輸出減少といったマイナスの事態が収ま…

歴史的な観点から見たアメリカの金融危機の評価(価Ⅱ=37)

【 価値観の研究第二部 歴史的な観点から見たアメリカの金融危機(価Ⅱ=37)】 今回のアメリカの金融危機についての各国政府の対応や国際的な対応については、別途記したところであるが(なんでも評論のカテゴリー参照)、これまでの経緯を、「価値観の研…

人物の評価=その4(価Ⅱ=36)

評価の対象となる人物の生きた時代や地位や影響力などによって、評価手法も異なりうるわけだが、評価の主体がだれかということも重要な要素である。 たとえば、会社の入社試験で人物を評価するのは採用にかかわる役員や社員である。そこでは、おそらくだれを…

人物の評価=その3(価Ⅱ=35)

人物の評価の難しさは、前述のように、情報の制約や評価の主観性という制約によるものであるが、それは結局は、評者による同一人物評価の多様性につながる。 たとえば、入社試験の面接の場合、役員、部長、課長、担当者などの間で評価は別れうるだろう。 社…

人物の評価=その2(価Ⅱ=34)

人物の評価ということの重要性のわりには、その評価法が学問的に確立していないことがひとつの問題だと前回指摘したところであるが、試みに、自分の経験からどのような点に留意したらよいかどうかというケーススタディからはじめてみたい。 人物評伝としては…

人物の評価(価Ⅱ=33)

人物の評価はきわめてむずかしい。 人物にもいろいろある。 ① 身近な人物。家族。友人。知人。親戚。同級生。同僚。隣近所。基本的には顔見知り。 ② テレビや新聞では知っているが、会ったことはない人物。 ③ 同時代人だが、直接の接点はない人物。 ④ 過去の…

歴史的なアプローチにおける戦争責任論など(価Ⅱ=32)

『歴史的なアプローチにおける戦争責任論など》 前に、歴史的なアプローチのなかで、法的なアプローチがとりあえず重要だと述べたが、さまざまな判断や行為のうち適法なものについては一応法的責任は追及されないとして、違法だと判断される場合には、その責…

教育の重要性(価Ⅱ=31)

新聞やテレビのニュースは、事件や事故を優先するということ、および、情報の中立性を保つには、それなりの努力、たとえば、自分の周辺から得られる情報、統計やデータ、公益的な立場から発表される情報、法律などのシステムなどの情報を自分なりに収集し整…

歴史的なアプローチ(価Ⅱ=30)

前にも「歴史」について述べたことがあるが、終戦記念日にあたって、重ねて「歴史」をどうとらえるべきなということについて述べたい。 ひとつ重要な視点は、法的な観点である。その当時の政策判断や実行された施策が適法に行われたかどうかと言う点である。…

もぐらたたき(価Ⅱ=29)

北海道洞爺湖サミットが終わった。その成果については、さまざまな評価がありうるが、私見では、なかなかのできだったと思う。 しかし、現実は、予想以上にドラステイックに変化する。 サミットの大きな枠組みとは別に、マーケットはグローバルにまたローカ…

情報の偏り(価Ⅱ=28)

情報化社会といわれるように、最近、われわれの周りには膨大な情報があふれている。 新聞やテレビやラジオ。雑誌や単行本や文庫。インターネット。CDやDVD。屋外広告や交通広告。映画、演劇、コンサート。デモ行進。立会い演説。口コミ。など。 できる…

医師の役割(価Ⅱ=27)

病気について、一般人は、患者にしかなれない。病気と治癒と半病と後遺症と障害と苦痛と昏睡と死と。 しかし、医師は、治療することができる。この差は、天と地ほどの差がある。 医師は、患者の命をあずかる。握るのである。 患者は、命永らえるために、医師…

人間ドック(価Ⅱ=26)

病気の予防には、健康診断がひとつの有力な手段であることはいうまでもない。 人間ドックと呼ばれる健康診断方法は、わが国でもかなり定着していて、毎年きわめて多くのひとびとが受診していると思われる。 けっこう費用がかさむのが難点だが、いのちにかか…

健康法その3=2(気の持ちよう)(価Ⅱ=25)

ストレス解消法はひとそれぞれで、千変万化だと思う。 科学的な根拠のある方法から、信念や迷信みたいなものまでいろいろあるようだ。 そういう中で、個人的に有益だと思ったのは、前にも触れたことがある、渡辺淳一著「鈍感力」である。 このエッセイは、医…

健康法その3=ストレスの解消(価Ⅱ=24)

第三に、ストレスの解消についてふれたい。 これもまた、目新しいテーマではないが重要である。 ストレスの解消は、おそらく脳の働きとのかかわりが重要だと言ってよいと思う。 ストレスが少なければ、脳の働きがよくなり、神経の伝達もスムーズで、ホルモン…

健康法その2=適度な運動(価Ⅱ=23)

適度な運動が、健康にいいことは言うまでもないだろう。 ちょっと思いつくだけでも、次のような利点がある。 1. 摂取した栄養を的確に消費するのに役立つ。 2. インシュリンなどの分泌を促進し、体調を保つ。 3. 神経伝達物質やホルモンの分泌を促し、…

衆参両院のねじれ国会(価Ⅱ=22)

連日、マスコミでは、衆参両院のねじれ国会について報道がなされている。 わが国にとって重要な法案や人事案件が決まらないということは深刻な問題であることに異論はない。 だが、冷静に見れば、これらはすべて「想定内」の事態だと言えば言える。 なぜなら…

健康法その1=食事篇(価Ⅱ=21)

健康法その一は、「バランスのとれた食事」だ。 食事をすると、口・胃・腸・すい臓・肝臓などの働きで食物は消化される。 とりわけ、ブドウ糖・脂肪・たんぱく質を安定して摂取するには、肝臓の代謝機能がたいせつだ。 食物から吸収した栄養を材料にして体細…