南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

健康法その3=2(気の持ちよう)(価Ⅱ=25)

 ストレス解消法はひとそれぞれで、千変万化だと思う。

 科学的な根拠のある方法から、信念や迷信みたいなものまでいろいろあるようだ。

 そういう中で、個人的に有益だと思ったのは、前にも触れたことがある、渡辺淳一著「鈍感力」である。

 このエッセイは、医師でもある作家の立場から、「なにがあってもくよくよ気にしないことが健康には一番」ということを、さまざまな具体例をひいて説明したものだが、実にわかりやすくて説得力がある。

 いまやわが健康法のバイブルとでもいうべき位置づけである。

 ほかに、「笑いが遺伝子を活性化する」ということを科学的に証明しようとした科学者がいる。村上和雄氏である。よしもと新喜劇のお笑い芸人とのコラボレーションにより、糖尿病患者の血糖値の変化を追いかけたものだそうだ。

 拙詩集「笑顔の法則」というタイトルもそこいらへんにヒントがあった。

 また、実際に長生きしたひとたちがどんな健康法をとっていたかも貴重な情報だと思う。
 ある本によれば、泉重千代氏の健康法は次のようであったそうだ。

 「長寿世界一(当時)は、泉 重千代。慶応元年6月29日生まれ。昭和61年2月21日没。)(1865-1986)。120歳237日。

 (フランス人女性カルマンが、122歳164日で亡くなったのが過去最高らしい。)

  泉重千代翁による長寿十訓は以下のとおり。

 1.万事、くよくよしないがいい。
 2.腹八分めか、七分がいい。
 3.酒は適量、ゆっくりと。
 4.目がさめたとき、深呼吸。
 5.やること決めて、規則正しく。
 6.自分の足で、散歩に出よう。
 7.自然が一番、さからわない。
 8.誰とでも話す、笑いあう。
 9.歳は忘れて、考えない。
10.健康は、お天とう様のおかげ。
      (ご先祖さまに感謝)                        」


 あたりまえのことが並んでいるようだが、なるほどと納得できる点もあると思われる。

 人間の心と体は密接な関係にあるので、結局ストレスの解消は心身ともにプラスの効果を与えるといえるだろう。