南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

心理と真理

「真理」ってなに?
答えるのはむずかしい。

「心理」ってなに?
答えることはできそうだが、
その心理は、見えず掴めず測れず読み取れない。
でも人間の行動とともに重要な要素であるようだ。

具体例で話そう。
えっちしたい男と女がいれば問題ない。
男はしたいが女はしたくないというとき
その気持ちを察することができるか?
気持ちを変えさせることができるか?
言葉は心理をそのまま表現しているか?
なかなかわからない。

はえっちしていた相手が
いやがるようになったというようなケースはややこしい。
なにかが原因で気持ちが変化したのだろうが、
それを復活させられるかどうかは
読みにくい。
好きだったものが嫌いになったとか
嫌いだったものが好きになったとか
そういう気持ちの変化ほど
読めないものはなく、
どういう態度をとり、行動したらいいのか、
判断がむずかしい。

あるひとの場合、
急に態度が変わり
いくらくどいてもついに
体を許すことはなくなった。
それで、自分もまた諦めざるをえなくなった。
恋人が元恋人に変わったのだ。
気持ちは見えない上に変わる。
心理学は新しい学問だ。
脳科学も発展途上だ。
いまいち信用しきれない。
ひとつだけ、経験的に言えるのは、
言葉より行為のほうが心理を忠実にあらわすのではないかということ。

ひさしぶりにメールが来るとうれしいが、
妙に冷めている。
あんなに盲目的に恋に溺れていた対象は
だれだったのか?
自分は幻を恋したのか?
恋に恋したのか?

白けた気持ちをもてあます。

心理はとらえるのがむずかしい。
それこそが真理だろう。