南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

「不満」

 

    不 満

 

         南原充士

 

不満を感じ始めると増大する。

不満を言い始めるととめどなくなる。

不満は回りまわって自分に返ってくる。

不満は内部へ侵入して危害を加える。

不満はすっかり自分を乗っ取り

気が付けば

不満が自分を語らって

大威張りで往来を歩いている。