南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

詩「白い虹」

 

    白い虹

 

            南原充士

 

 小さなトラブルでもショックは大きい。

大きな災いなら声も出ない。

中庸を行けと教えてくれた人はもういない。

かまびすしい世間で黙って生きていく。

 

自分だけが苦境にあるわけではないとわかっていても

躓き転べばひどく痛い。

曇り空のむこうに見えるはずの青空を想像する。

白い虹が見える。