南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

新たな朝

 

   新たな朝
 
今年もあと二日と思えば胸が騒ぐ。
やがてざわつきが収まり
諦めに似た気持ちになると
 急に一年間に起きたことがハイライトとなって瞼を去来する。
それらが懐かしい思い出となってゆらめきながら消えていくと
代わって真っ青な空が限りなくひろがっていき
新たな朝に目ざめたばかりの視界を満たす。