南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

詩「歌」

詩集『レジリエンス』からー冒頭詩篇

 

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粗密な天体の網状のからまり

鋏で切れるものは何ですか

ミルフィーユを食べると夢見がいいです

 

乾いた涙を福笑いに貼り付けます

迷子になった子供は夜中に地図のお化けに追いかけられます

問い続けられてきた問いはますます研ぎ澄まされる

 

不協和音を奏でるうちに血は止まりましたか

食べ残した料理は貘に食べられてしまいました

浩瀚な書物よりずっと重たい闇も何一つ答えない

 

星たちの老人ホームを慰問しましょうね

好きな食べ物を思い浮かべるとハンモックが揺れ始めます

飽きるほど歌われてきた歌が退屈しきった長大な葬列とともに歩み行く