2021-10-30から1日間の記事一覧
木葉揺詩集『アーベントイヤー』。奇想天外のドタバタ劇。コーヒーメーカーで切り刻んだ蟻の列が巨大な一匹の蟻になったり、両肩に絡まった柿木がフェリーから投身自殺したり、暖炉の前で死んだ熊を解体し火葬に付す等弾ける言葉による「冒険」は笑いが止ま…
川中子義勝詩集『ふたつの世界』。猥雑で苦悩に満ちた世界が著者の濾過装置により澄み切って穏やかで懐かしい芸術世界に変換される。全編に詩的なノスタルジアが宗教音楽のように鳴り響き、言葉による美しい結晶として析出している。とりわけ「Ⅲミステルの旅…