南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

森雪拾詩集『ゆきふるよる』

森雪拾詩集『ゆきふるよる』。丁寧に選び抜かれた言葉が静かに並べられると、そこにはなつかしい自然の情景が瞼に浮かんでくるが、森や岸辺や海に木や花や鳥や船を見る目は生きる者の嘆きや幻影を見透している。安っぽい感傷に流れない上質の抒情詩集。特に「黒い実」の恐ろしいほどの描写は圧巻だ。