南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

大谷選手の結婚を祝って

 

『大谷選手の結婚を祝う』
春匂う ビッグ・ヴァレーの ファンファーレ
そっと寄せたい 祝いの言葉
 ある線を 超えればひとり 彷徨いて
疎外のグラフ 手探りで描く
感覚は 説明不能 デリケート
依拠するものは ほかになければ
ただひとり 粋に感じる 色合いを
頑なまでに 守る筆先
冬去りて 裏の細道 ぶらつけば
ここから先は 春のきらめき
湧き出づる 秘密の泉 水汲めば
憂さを忘れて 力漲る
溺れ谷 涸れ谷魔谷 隠れ谷
ビッグ・ヴァレーに 谺が響く
月移住 一日一週 一月は
どんな暦に なるのだろうか
予想外 降り出す雨は 春雨と
傘もささずに 男を気取る
無口でも 黙り続ける 胸中は
すっからかんの 食料置き場
激流の 小舟に乗って 下り行く
映像の主 リアルの自分