南原充士『続・越落の園』

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幽囚

 

    幽 囚

 

        南原充士

 

果て知れぬ思いをかかえて
有機的に暮らす
照葉の輝きに心は恥じらう
寝違えた首筋が
体のありかを知らせる
こんなに胸騒ぎがするのに
空腹はやってくる
とらえどころのないものの中で
ただ失われ行くのは耐えられないと
電柱の鴉に叫んでも
底知れぬ闇は
知らん顔してそこまでやって来ている