南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

詩「無頼」

     無 頼

 

           南原充士

 

気まぐれな浮遊子が無数に混じり合って
たまたま出会いぶつかりすれ違い
引き合ったり反発したり無視し合ったりする
確率論でできているとはなんとも歯がゆいが
愛も憎しみも幸も不幸も喜びも悲しみも
泡の如くかつ消えかつ結びてとどまるところがない