南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

詩「日暮れ」

 

   日暮れ

 

      南原充士

 

日が暮れた空き地に

若者が群れている。

昼間は暑すぎるので

涼しくなってから

表に出てきたのだろうか?

シルエットのひとたちが

通りを歩いていく。

蝉はおとなしく鳴いている。

鴉はいなくなった。

突然暴走族がやってきて

あたりは騒音におおわれる。

手に持った荷物が重いので

心もとない足取りが

なかなか進まない。