南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

詩「いいひと」

 

   いいひと

 

       南原充士

 

いいひとでいたいと

おもうひとのどこかに

いいひとになれないひとがいる

 

みぬかれているのに

どうしようもなく

ざんこくなつめをたてるとかげ

 

またみちばたで

ふみまちがえたアクセルが

こうふくなかぞくをころす

 

しっとぶかいいでんしが

えいえんにひとのかおをした

はちゅうるいをうむだろう