南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

葉山美玖詩集『春の箱庭』

葉山美玖詩集『春の箱庭』。ホームにいる父のこと、心を病んでいた母のこと、試練に満ちた自分のことなどがありのままにだが確実な表現技巧により述べられる。最後に、希望に向けて旅立とうとする姿勢が見えるのが救いだ。「この小さな私の箱庭のような街から/春は出航する」(「春の箱庭」から)。