南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

e-Taxについて

 確定申告の季節がやってきた。ぼくは、それほどの収入があるわけではないが、医療費控除などの申告をするため、確定申告をして少しでも節税したいと思っていた、そのときふとインターネットを通じて申告する方法があることを聞いて、それでは、それをやってみようと思った。簡単にできるというので、気楽に考えてスタートしてみたのだが、実際には、何度もつまずいてへとへとになってしまった。
 その個人的な経験に基づき、e-Tax制度の問題点を指摘しておきたいと思う。

 まず、国税庁のホームページにあるマニュアルが複雑怪奇で、はじめての人間には理解できない。
 そこで、ヘルプデスクが用意されているのだが、何十回となく電話してもいつも話中で質問しようがない。こういうシステムを導入しようとするときには、質問に答える体制(要は、一ヶ月ほど人数をふやすとか)を整備すべきである。でないと、パソコンのまえで、にっちもさっちもいかずに立ち往生してしまう。

 具体的な話をしよう。

 電子申告のためには、まず、役所に行って、住基カードを発行してもらい、そこに電子証明書なるものを格納してもらう必要がある。本人が行かないとだめだ。

 次に、ICカードリーダライタを家電量販店に行って買わなければならないが、どこでなにを買ったらいいかの説明がわかりにくい。

 やっとこさ、準備ができたと思うと、パソコンに向かって、さまざまなソフトのインストールをしなければならない。

 その前に、所轄の税務署に申請して、納税者確認番号をもらわなければならないことがわかる。
 暗証番号もとらなくてはならない。

 ソフトはいろいろある。
 Adobe Reader,ICカードリーダライタのドライバ、JRE公的個人認証サービスクライアントソフトVer.2.1、JPKI利用者ソフトなど。

 インストール方法もややこしいので、四苦八苦してやっとインストール完了。

 次に、初期登録をする。

 ルート証明書をインストールせよといわれる。

 登録までこぎつける。

 そこで、いよいよ、確定申告書の作成にはいるが、これまた、どこをどうクリックしたらいいのかわかりにくい。保存のしかたも複雑だ。

 次に送信。
 受付確認のために、「受付システムへのログイン」が必要だ。

 税務署から受け付けたという通知書があるのを確認して、一応作業完了。

 添付書類の省略などという規定もある。

 ま、以上のようなステップを踏んだわけだが、最初の日は、明け方までかかっても登録できなかった。
二日目にしてやっと登録まで行き、三日目にして、やっと申告書作成、送付ができた。

 やってみて感じたのは、この電子申告はとても簡単なものとは言えないということだ。

 電子申告は便利な点もあり、時代の流れだから、それ自体は否定する者ではないが、もっと分かりやすいマニュアルの作成とわからないことを聞けるような体制を整備しなければ、電子申告を導入する納税者はあまり増えないのではなかろうか?
 
 ま、ざっと以上のようなことを思った。

 わがe-Tax体験記でした!