南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

2020-06-26から1日間の記事一覧

シェークスピア ソネット 94

ソネット 94 W.シェークスピア ひとを傷つける力を持ったひとたちでも、実際に傷つけはしないだろういかにもやりそうに見えることでも実際にすることはないほかのひとたちの心を動かすことはあっても 自らは石のように無感動で冷たく誘いにもあまり乗らな…

『社会距離』(575系短詩)

『社会距離』 南原充士 こもりても 心うるおす 青時雨梅雨の入り 滅入るそぶりを つゆ見せず一日は 雨降りやまぬ ロ短調濡れる身を 心奮いて 乾かせりコロナ梅雨 見果てぬ夢の 濡れそぼる自嘲気味 鏡に映る 雨の外陽炎の 見下ろす微視の 社会距離嫌われて 梅…

『幻覚と妄想』(57577系短詩)

『幻覚と妄想』(57577系短詩) 南原充士 幻覚と 妄想の差は なんだろう 施設のひとと 話しつつ問うシーソーの 上がり下がりや ぶらんこの 行ったり来たり 人の気持ちはつらくても 薬物やらず 覚醒の 苦痛に耐えて 現実を見る囁きは 悪魔の仕業 眠らせ…