南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

花は咲く

 

花は咲く   57577系短詩

 

絶望の 淵にあれども 花は咲く
一人歩みて 花の香を嗅ぐ  

 

錯乱の 街はゴースト 我が家にて
手料理食し 今を安らぐ

 

パンデミの 見えぬ災禍に 襲われど 
焼きたてのパン ちぎる手洗う

 

咳飛沫 マイクロ飛沫 遮断する
防護ウェアに 毒ガスマスク

 

ふたしかな いのちの危機に さらされて
不安と懸念 増殖恐怖

 

クラスター オーバーシュート ロックダウン
医療崩壊 社会崩壊

 

引きこもる 時代となれば 在宅の 
暮らしビジネス バーチャル社会

 

重要で 急いですべき 用事でも
不要不急に 引き止められる

 

急ぎでも 重要でもない わが暮らし
不要不急が 積もる室内