南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

紅葉映え

 

     紅葉映え
 
無となりて いずこに行くか 秋の悲歌
固陋さえ 包む紅葉の 輝ける
 孤愁にも 紅葉は来たり 照り勝る
共感を 超えても叫ぶ 秋の暮れ
共感を 得られなくとも 秋を詠む
好き嫌い 言いようのない 紅葉映え
無理解と 理解のあわい 紅葉愛
感性の 自由に任せ 紅葉行
紅黄土 濃淡混じる 落ち葉踏む
気が付けば 桜紅葉の 過去の夢
老い先を 思いて歩む 敷き紅葉
あれこれと 心乱れて 秋そぞろ