南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

モーツァルトの才能

 モーツァルトは、1756年1月27日に生まれ、1791年12月5日になくなったそうだ。
35歳でなくなるまでに、700曲以上もの曲を作曲したそうだ。今回購入したモーツァルト全集はCDが160枚以上ある。一枚一時間として、160時間。1時間ものの楽譜を書くのにどれくらい時間がかかるのかぼくにはよくわからないけど、かりに、モーツァルトが30年間に平均して毎年5時間ずつの曲を作ったとしたら、1時間の曲を書くのに2~3ヶ月を要したことになる。20年間と見れば、1~2ヶ月ということになる。中には、オペラみたいに長いものもあるから一概には言えないが、驚異的な速さといえるだろう。たとえば、今の世の中で言えば、3分ぐらいのポップス曲を20曲収録したアルバムを
毎年5枚から8枚発売したという感じかな。シングルだって大変なのに、アルバムをバンバン作ったという才能は恐ろしすぎる。。。
 
 僕は、この2ヶ月弱のあいだに、モーツァルトのCDを50~60枚聴いた。まだまだ3分の1に過ぎないが、それでもずいぶんモーツァルトの世界に親しめたような気がする。
 
 総じて感じたことは、

 ① 幼いころはさすがに芸術性がいまいちだが、20歳ごろから格段に深みが増すこと。

 ② 貴族の食事のときのBGM,お祝い事のときの行事用音楽、ピアノを習う貴族の子女のための練習
  曲、教会のための宗教音楽など、依頼主の用途に応じてせっせと作曲に励んだモーツァルトの曲は、
  そういう制約があって、かなり無内容な作品とならざるをえなかったこと。

 ③ それでも、なかには、とびきり芸術性の高い曲もあること。気楽なBGMとして作曲しながら、深
  い芸術性をこめることができたモーツァルトは当然ながらただものではなかった。

 ④ オペラは、劇場で演じられるための音楽であるという点では、芸術性を追求しやすく、モーツァル
  トの才能が生かされやすかったのだろう。

 ⑤ まだまだ全体像は見えないが、これまでのところ、意外に、弦楽五重奏曲に名曲があることがわか
  った。

 とりあえず以上。(続く)