南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

ケイタイのジレンマ

最近、職場が変わった。
一番ショックだったのは、ケイタイが使えなくなったこと。
都心のオフィスビルの中でケイタイが「圏外」になるなんて想定外(!)だった。
同僚にいろいろ聞くと、たしかに通じにくいが、なんとか通信はできるという。
そこで、普段はのんびりしているぼくも、ケイタイ時代の申し子のひとりとして、
近くのD社のショップに走った。
ケイタイをチェックしてもらったが、機能に問題はないという。
それでも使えないのは事実なので、D社のケイタイにもより感度のいい機種があったら変えたいというと、機種による感度の差はあまりないと答える。
同僚のケイタイではなんとか通じているみたいだというと、じゃあ、それと同じ機種を購入したらどうかと答える。
念のためテストすることはできないかと聞くと、そういうサービスはしてないと答える。
一度水の入ったコップに落としたことがあるので機能低下したのかもしれないと言うと、
預かって修理センターに回してみようという。その場合は、代替のケイタイを貸し出せるという。ただし、貸し出せる機種には限りがあるという。
それで、代替のケイタイを借りてオフィスに戻ってためしてみたが、やはり圏外になってしまう。
困っていると、ある同僚が、K社のケイタイなら通じるという。また別の同僚は、S社のケイタイもなんとか使えるという。
そこで、考えた末、K社のケイタイを試してみようと思った。
その夕方、とあるK社のショップに出向いて相談すると、一日お試し貸し出しサービスがあるという。
喜んで、借り出して、翌朝オフィスで試してみたら、なんとか使えることが判明した。
なんという喜び!
こんなことでも、毎日の仕事や生活に大きくかかわっているのだ。無視できない重要性がある。
その日の夕方、K社のケイタイを購入して、きょうで三日目。
やっとトラブルが解決できて、精神的な平安をとりもどせた。
おそらく原因は、ケイタイのアンテナの設置箇所のちがいによるものだろう。
ちょっとした場所の違いが、ビルの中の壁や柱や物体のとの位置関係による電波の伝わり方の差となって現れたのだろうと推測している。
ちょっとしたことで使えなくなるケイタイ。便利なものには落とし穴がある。
今回、IT時代のおそろしさを身をもって経験した。

以上、みなさんの参考までにぼくのケイタイトラブルの顛末を書かせてもらいました。
みなさんもケイタイ購入には気をつけて、快適なケイタイ生活をお送りくださいね。