南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

桜談義

桜は今では日本を代表する花だろう。
花見は全国的なイベントだ。
悲喜こもごもかもしれないが、桜がインパクトを持つことの現われだろう。

桜を読んだ歌も多い。詩も書かれている。

最近、とある詩人仲間と桜の詩の話をしたり、実作をしたりしたので、余計関心が深まった。

ところで、ある親しいひとから、桜が日本を代表する花になったのは比較的新しいことではないか?との
問いかけを受けた。古くは、梅が代表選手だったはずだと。

そこで、いったいいつごろから桜の花が歌われたのか知りたくなった。

たしかに、ソメイヨシノは、日本では100年程度の歴史しかもたないらしい。

しかし、桜にもいろいろ種類がある。山桜とか八重桜とか緋寒桜とか。

そこで、万葉集に桜を読んだ歌があるかどうかを調べてみると、いっぱいあるではないか!

ついでに、古今集新古今集も調べてみた。

当然、桜を読んだ歌がたくさんある。

有名な歌もある。

いちいちは紹介しないが、桜の花にかかわる日本人の感慨はかなり古くからあったことに、あらためて気がついた。

現存する桜で最古の木は樹齢800年ぐらいらしいが、年年歳歳花相似たり、歳々年々人同じからず。

ということを感じさせる。

桜は咲いても散っても美しい。地上に落ちた花びらさえ雪のごとき清楚を保つ。

いい花だなあ!