南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

憲法改正問題(続)(価値観の研究=その27)

 きょうの朝日新聞の朝刊に心理学者岸田秀氏が、安倍内閣憲法改正について、論評している記事がある。

 その論旨は、次のとおり。

「日本の歴史を、{外的自己}と{内的自己}との葛藤、交代、妥協などの歴史ととらえる。
外的自己は、外国を崇拝する自己。
内的自己は、外国を憎悪し軽蔑する誇大妄想的な自己。

戦後の日米関係は、まさに、外的自己が前面に出て、内的自己は抑圧されている。
ときどき内的自己がはけ口を求めるが、大勢に影響はない。(たとえば、牛肉問題など)

いまのような従属的な日米関係では、たとえ憲法を改正してもアメリカに都合のいい改正内容にあるおそれが強い。いまは、臥薪嘗胆に耐えるしかない。

自己欺瞞に陥ることなく、隷属的な状況から目をすらすことなく、やがてそこから抜け出すための道筋を見出すべきである。」

 以上であるが、なかなかユニークな見方だと思う。

 ぼく個人としては、賛同しかねるが、そういう見方もあるものかと思ったしだいである。