南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

人間関係=その3(家庭)(価値観の研究=その30)

 人間関係の基本は、親子であり、家庭だろう。

 だれも、「生まれる」のであって、選択権はない。芥川の「河童」
とはちがうのである。
 
 気がつけば「この世にいた」のだ。

 幼児体験はどう見ても人格形成に大きな影響を与える。

 きちんとした親がいてきちんとした家庭があって、きちんとした育てられ方をすればかなりの割合で
きちんとした子供が育つ。やがてきちんとしたおとなになる。

 きちんとした子供や大人の割合が少ないということは、とりあえず家庭に問題があると疑うことができる。

 ある程度の収入、栄養を考えた食生活や、清潔な部屋、明るい会話、両親の信頼関係などがあれば、基本的には問題ない。

 もちろん、先天的な資質ややむをえない病気や事故や離婚等の事情できちんと自立できる人間になれないことはありうる。

 家庭内のしつけがきちんとできていないとあいさつもできないこどもがふえる。思いやりのない子供が増える。エチケットやマナーをわきまえないこどもがふえる。

 逆に、成人した人間は、自分の両親や家庭環境を振り返ってみるといいかもしれない。自分の価値観に及ぼしたであろう親の価値観!それを冷静に客観的にレビューするのは無駄ではないと思う。