連作詩『時間論』は、半ばは物理学の文章のようなものだが、その問いかけは十分詩的な感動を与えうると信じて書き続けている。
人間存在の基本ともいうべき時空について根源的に問いかけることはあらゆる芸術や学問の共通の関心事だと思う。
詩として読もうとすればとっつきにくいことは書いている本人が重々承知しているのであり、ほんのわずかの辛抱を厭うことなくこの詩の世界にはいってみれば驚くべき発見に出会うこと請け合いである。深い感動をちょっとのところで逃がしている読者がいかに多いかを作者としては残念に思っている。
連作詩『時間論』の真価が理解されるまでには文字通り時間がかかることを覚悟してこれからもこつこつと時間論を書き続けていきたい。