南原充士『続・越落の園』

文学のデパート

吉田隶平詩集『在ったという不思議』」

吉田隶平詩集『在ったという不思議』。まだ七〇代の著者だが、なぜか死を強く意識しているようだ。人生の深い洞察としみじみとした思いが胸に迫るような巧みな詩篇が並ぶ。「理路整然と語っていることには/嘘が入ってくる/ぽつりと呟いたことを/繋ぎ合わせると/ほんとうが見えてくる」(「呟き」)